
ザラ・ウッドの夢見る世界…
小耳にはさんだ会話、子供の頃の思い出、自然界の写真や本などからインスパイアされ、イギリス出身のイラストレーター、ザラ・ウッドは、どのイラストにも深みを持たせて描く。力強いウッドらしさを携えた、感情や個性が光るキャラクターが特徴だ。
彼女が自分をイラストレーターとみなすのは、実際的な決断というよりも、むしろ自然なかたちからであり、彼女の多才さはヨーロッパとオーストラリアの広告や雑誌、出版界やファッション界でも見られるようになった。

ご自分のイラストレーションスタイルを紹介してください。またそのスタイルにおいて、ご自身の中に見る最大の違いは何ですか?
それは難しい質問ね。私は作品制作をする上で2つのコアとなる要素があるんです。イラストレーションの面と、ファインアートやドローイングの面で、言うまでもなくその2つはお互い絡み合っています。
イラストのスタイルについては、黒い縁取りの絵が大好きです。沢山スペースが空いてるのとか。あとボール紙に描くのが好きです。
何か小さな頃からこだわっている事はありますか?
ありますね。落ち着くかそうじゃないかというようなことなんだけど、真っ白なキャンバスにはビクビクしちゃいます。でも矛盾している所があって、私の描くデジタルのドローイングは、よく周りにいっぱい空白があるんですよ。
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その矛盾している点においての落とし所は見つけましたか?
スクリーンプリントが最近の落とし所です。デジタルドローイングを(昔から気に入って使用している)ボール紙の上にスクリーンプリントするんです。イラストレーター歴のあるなしに関係なく、人は常に自分の歩む道から何か学んだり、進歩したりしているんじゃないかしら。
古い頃からの好みは切り捨てるのが難しいですよね、ボール紙がそのひとつです。
ボール紙の入手先は?
ありとあらゆるところ。一番良いのは携帯電話屋さんかやゲーム屋さん。そういう所って大きいサイズのボール紙が多いんです。
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中に入って行って店員さんに聞くんですか?
そうね。もしくは回収日に探しに行きます。あ!果物の黒い箱もすっごく良いんです。スクリーンプリントの黒だから、仕上げが凄くキレイに映えるんですよ。
印刷版「ボール紙」の本の制作を考えた事はありますか?
アイディアが有りすぎて困ってるんですよ。何年も前から考えていることもあって、でもちゃんと実現するのには暫く時間が必要。もっと忍耐強いか、時間の使い方が上手ならよかったんですけどね。
イラストレーター歴はどのくらいですか?
2001年からで、イラスト1本になったのは2004年の終わりからです。イラストを職業にするのは難しい。お金になる仕事としてのイラストと、描きたくて描くイラストのやりくりですね。
もう少し詳しくお願いします。
仕事が順調にいき出したのは、2002年にメルボルンにいた時の事。オーストラリアとアジアのステューシーに限定版のTシャツのデザインを依頼されたんです。ステューシーとは6、7シーズン一緒に仕事しましたが、それは本当に楽しかったです。ステューシーはオールドスクールのスケートレーベルとして始まりましたが、今では世界規模の企業になりましたね。

ステューシーとの仕事では自由に制作できましたか?
私のスタイルに関心を持ってくれていましたから、何でも描きたいものを描いていいと言ってくれました。いつもは何かぼんやりしたテーマがあるんですけどね。ステューシーはTシャツも小さなアート作品というように取り扱ってくれて、サインするのも許してくれました。

それが最初のプロジェクトだったのですか?
そうですね、楽しくできた初めての仕事と言えますね。
あなたが影響を受けた子供の頃の思い出を1つ教えてください。
沢山ペットを飼ってる一人っ子で、絵を描いたり、うさぎや犬と一緒に遊ぶのが好きでした。絵を描く事は心地良かったし、同時にワクワクしました。
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もし何か動物になれるとしたら何になりたいですか?
たぶん、何か生物のミックス体ですね。身軽で、ぴょんぴょん跳ねるネコみたいな。でもネコ科よりも忠誠心はあると思います。
そういえば、「小耳にはさんだ会話」から影響を受けるとか。
たまに電話の会話をふと耳にすることがあるでしょう?背景は全く分からなくて、不可思議なんだけど、何か楽しいイメージを呼び起こしてくれるような話ね。
私が昔小耳にはさんだ話で、誰かが「犬って狂ってるわ。だってウンチするんだもの」って言ってたの。「大きい犬はたくさんするの?」とかね、実際犬のフンに関する話はよく耳にするんですよ。
その楽しいイメージを思い起こしたとき、あなたの作品が好きな人に何か伝えたいメッセージはありますか?また、いつもとは違ったメッセージをくれる人に伝えたいメッセージは?
作品の中で文章を取り入れるのが好きですけど、オーディエンスに向けたダイレクトなメッセージはあまりないですね。今日だと、スタジオまで自転車で来るときに、「live and let live(持ちつ持たれつ)」というフレーズが頭に浮かんだんです。丁度、全ての皆が私の作品を好きになったり、私の作品から何か掴んだりするという訳ではないように、人は世界中の人とうまくやって行くことはないんだと思いますね。
多くの芸術家は気まぐれな傾向がありますが、あなたもその内の一人ですか?
そうは思わないですね。私は日課として仕事に取り組みたいと思うし、気まぐれではないですね。でも、仕事の上では実験してそれを適合させたりするのは大好きです。
描いたものやそのテーマに個性を創るようなところはありますか?
すっごく素敵な表現ね。あります!

ドローイングにご自身の性格を反映させることはありますか?
それは無意識的に起こってると思います。ある何かを描く為の概要というのは確実にありますよね。特別なムードとかね。
このキャラクターは極めて「しかめっつら」で、単刀直入に言うと、笑顔がありませんが、それは敢えてですか?
イメージの中で創られる世界では際限がありません。私はこのキャラに誠実であって欲しかったのです。それであなたがそう解釈することもできたのでしょう。私はただ、「かわいいキャラ」を創るためだけのものを作りたくなかったんです。コマーシャルの作品の中にすら、もっとそれ以上の何かがあると思います。
私って本当に物事を反映しやすいので、だからたぶん、私のキャラもその特徴を描いているんじゃないかしら。
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ドローイングの多くは目が特徴的ですが、何か理由がありますか?
この質問は大体いつも始めに聞かれます。私は大きな目をしているとよく言われるんですが、それは家族の特徴なんです。だから小さな頃からいつも大きい目を描いてるんです。
でも片方の目はもう一方よりも少し小さめですね。
でもラッキーなことに、それは家族の特徴じゃないの。
それは意図的にですか?
おかしいかもしれませんが、絵を描くことに入り込むと、何事かが起こるんです。私はただそれを機能させるかさせないかを決めているだけ。
プロジェクトを進める上で重要となる基準はなんですか?
自由に創作するというのが重要ね。クライアントと私自身の間の信頼関係には決定的だと思う。もしクライアントとちゃんと信頼関係を築けるなら、それが9割ね。私はラッキーだと思うの。だってクライアントは私の作品やスタイルが好きで連絡をくれるのだから。コンセプトのあるものも好きです。
次の予定は?
特にこのバンドっていうのは考えられないけど、ミュージシャンと一緒に活動したいです。脚本を作って、ダンスカンパニーや劇場などと仕事できたら素晴らしいですね。凄く興味があるのは、「Small Wonders」のヴィンテージボックスやロケットペンダントにぴったりフィットするような作品をつくること。あと、機能的なアートウェアなど、もっとジュエリーの活動もしたいです。
今は子供向けの本2冊を制作中で、お話を書いたりイラストを描いています。また、大学生に講義も行っています。常にたくさんの学生から連絡があり、彼らに協力したいと思っています。芸術で生計が立てられるかどうかというのは私が大学にいた時の頃からあんまり変わってないみたいですからね。
それは何か「自分の道の見つけ方」みたいなこと?
それは答えられない質問ですね。その答えはいつも相手次第です。じゃなかったら意味が無いですから。私はアドバイスと経験してきた例をお話できるだけ。
正直に言うと、人って多くの時間迷ってると思うのです。たまに人生の分岐点が1時間おきに現れるかもしれないけど、進み続けなくては行けない。だってそれが私たちにできる全てですからね。でもその道を楽しむのも忘れては行けない。ここが忘れがちなのだけどね。
キングコングの中のセリフで『情熱か才能かどうか決めるのは君だ』というのがあります。望むならどちらもだけど、情熱だけであれば難しくないでしょ?
人はよく旅行中に良いインスピレーションが浮かぶと言いますが、あなたはどう?
そうね、私、旅人ですから。日本に旅行した時はすごく良かったです。東京に1ヶ月いて、京都と南の街にも行きました。2年前の話です。東京で迷子になったのさえ楽しかったです。
そこで何を得ましたか?
ほとんどの旅行経験で言えるのが、相違点と共通点ですね。例えば、なぜか分からないけど、どこかの地下鉄駅を降りたら「第三の男」のサントラの最初の数小節が聞こえるというのが凄く好き。
道に迷ったときに偶然できる貴重な体験ってあるものね。あと、電車がとても便利でした。
その経験は何かの形で作品に影響しましたか?
はい。ただの影響以上なものがありました。個人的なものですが。でもまだ何かのテーマとして使ってはいないですね。
シフトの読者に何か描いてもらえませんか?
もちろん。
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Zara Wood
woody@zarawood.com
Tel: +44 (0)20 3239 9052
Text: Waiming from Unit9
Translation: Haruka Kibata