ミハイル・カリキス

PEOPLEText: Mariko Takei

ビョークの「アーミー・オブ・ミー」のコンピレーションアルバムで多くのミュージシャンと共演し、賞賛を受け、あなたの音楽作品やパフォーマンスはファッションや美術、合唱など、多くの分野で広く認められていますが、これらの作品やパフォーマンスをいくつか紹介して頂けますか?

私が取り組んで本当に楽しかったプロジェクトは、2008年の夏にイギリスの「ウィスタブル・ビエンナーレ」のためにオリート・アシェリーと作ったものです。オリートは私が知ってる最も大胆なパフォーマンスアーティストのうちの1人で、彼女と仕事をすることはとても刺激的です。このフェスティバルのために彼女は予言者のような格好をして、2週間海の近くの漁師の小屋で生活したのです。私もパフォーマンスのために、神の声を聞くことができるという思いから連れてこられたごく普通の会社員のようになりすまし訪ねて行きました。神聖な魂が神聖なハトの形に姿を変え彼に降臨し、何やら意味不明なギフトをもたらす。この話は、私のライブパフォーマンスを見た人々が頻繁に私にコメントした返答でもありました。彼らは私が取りつかれたように聞こえたと言います!

フォー・ユー、オンリー・ユー」というパフォーマンスとビデオインスタレーションではソニア・ボイスとアラミエ・クワイと一緒に働きました。これも、とても刺激的なプロジェクトでした。私は、初期の合唱音楽の一部を解体し、パンクとアバンギャルド音楽から新しい要素を加え、音楽を制作しました。現代の声(私自身の声)と過去に音楽の偉大な歴史を残した巨匠の声の対話をイメージしたのです。いつも何か昔の音楽を聴くと、自分に問いかけることがあります。『それは今とどう関係しているのか?』と『それは何を私たちに伝えようとしてるのか?』ということです。これらの返答は“古いものは形を変え、現代からゆっくりと流れでてくる”です。

Mikhail Karikis

異なった分野で音楽を作る際に、それぞれ違う点はありますか?または類似点があれば教えて下さい。プロフィールにご自身で音楽と建築、ビジュアルアートが背景にあるアーティストと書かれていますが、これらの異なった分野がどのように作品に表れていると思いますか?もし、例となる作品があれば教えて下さい。

私は、音とイメージは結婚しているようなものだと深く信じています。彼らの仲が良い時もあれば、悪いときもあるけれど、彼らの関係を忘れてしまうのはよくありません。あるパフォーマー達は、コンサートに来る観客は耳と同様に目もあるということを忘れています。私はコンサートにただ聞きに行くだけではありません。見るためにも行くのです。ミュージシャンがステージに上がった時、最初の音を出す前に、ステージライトや、衣装、髪型、彼らの歩き方などから、私は何が聞こえてくるだろうか、彼らが誰なのかという、最初の印象を持つのです。そして音を聞き、考えます。例えば、ブルージーンズの人と白いTシャツの人がいて(典型的なアメリカ人、コカコーラを飲んでいるような人)ステージに上がり、反逆的でいることについてのパンクを歌う。私は、音の構成の仕方や、空間のなかで動き、反響する様子からも音の中にも建築があると思っています。建築はイメージと音、動きの空間です。

あなたの音楽をファッションシーンで広めていくことについてはどう思いますか?以前、ロザルブ・デ・ムーラのコレクションのために制作した音楽について教えて頂けますか?

とても興味がある事です。明確にすると、私はファッションのために音楽を作るという方向性は持っていません。私は、音楽を作り、それをファションショーのために発展させ、適応させているのです。私は、ファッションショーのステージをバレーの舞台のように捉えています。テーマを得て、衣装も、ダンサーもライトも。ロザルブ・デ・ムーラのテーマとデザインは魅力があり、彼らのショーのために働くことは素晴らしい体験でした。彼らは私に火山や、細菌、モノクロなどといった単語と、黒を主とした多くの詳細がある、エイリアンスタイルのコレクション写真を送ってくれました。 私が発展させた音楽は、多くの詳細と昆虫の音を入れたアンビエントでした。全くの別世界を発見するために、細菌増殖に焦点をあてたような、頻繁にミツバチが曲の中に現れる音楽です。

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