ラファエル・ロサノ=ヘメル展

HAPPENINGText: Carlos J. Gomez

ラファエル・ロサノ=ヘメルの作品はこの秋ニューヨークの2カ所で展示されている。マディソン・スクエア・パーク屋外インスタレーションとビットフォームス・ギャラリーの屋内作品の同時展示となる。
私は風の街チェルシー近辺の一連のギャラリー訪問の一環にビットフォーム展覧会に訪れた。寒い11月の土曜日のことだ。

ラファエル・ロサノ=ヘメル展
Less than Three, 2008. Photo: John Berens

この展覧会の最初の展示は、電話線のネットワーク図の試作品のようにつくられたインタラクティブな壁のインスタレーション。片側に2つの相互発信機を付けてあり、ボタンを押し、インターホンに話しかけると、作品はネットワークが跳ぶように光のパターンの連続を生む。この光のケーブルパターンは最終的にもう一方の端のスピーカーへの回路を作り、数分前に出したどんな音をも再生する。

ラファエル・ロサノ=ヘメル展
Wavefunction, 2007. Photo: John Berens

2つ目の作品は、小さな展示スペースのほとんどを占めて展示されていた。ずらりと並んだプラスチックの白い椅子は、周囲のスペースにいる人の動き読み取り、海の波に似た動きで椅子が上がったり下がったりする。ビデオトラッキングとこの作品の隣にある2つの小さな画面に表示された一部の運動解析ソフトウェアにより人の動きを検出することが可能となる。

この展覧会を訪れ、ロサノ=ヘメルのこれまでの作品を見てみたが、あまり大きな印象となるものはなかった。それらはむしろパッとしなく、単に宣伝のためのようであった。
次に訪れたペース・ウィルデンスタインでのリチャード・アヴェドンによる白黒写真のポートレートシリーズを見ることで、この寒い日の幕を閉じた。

Rafael Lozano-Hemmer Exhibition
会期:2008年10月25日〜11月29日
営業時間:11:00〜18:00(日・月曜日休)
会場:Bitforms Gallery
住所:529 West 20th Street, 2nd Floor, New York, NY 10011
TEL:212 366 6939
https://www.bitforms.com

Text: Carlos J. Gomez
Translation: Juri Omachi
Photos: John Berens

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