パト・アーキテクチャー

PEOPLEText: Juan Carlos Fuentes

最近の建築業界についてどのように思いますか?

元来、建築は社会的な問題に対する効果的な解決策を見つけ出すという目的で進められるのもですが、最近は、その目的がだいぶ歪んできています。世界的に見ても、ここ数年で建築は大量生産と化し、無責任なものとなってしまいました。何かがコントロール不能になっていることは確かです。そして、私たちは社会とその環境の中で自分達の役割をもう一度考え直す必要があるのです。スターの建築家のふりをしてきた人たちの中で大きくなったヒーロー的感情が、今日の空虚な都市を作っているのです。その一方で、小さなパワーでも人や心を重視し、私たちの提案に耳を傾け、考え直すことや思い直すことに興味を持っている少数グループの人々がいるということを私たちは信じています。

PAto Architektur

なぜゲリラオフィスなのですか?

実際にオフィスを持つのに、たった3ヶ月しかなかったからです(笑)。自分で仕事をするスペースを開くと決めた時、オフィスやスタジオを持っている友達全員に彼らのスペースについて聞いたのです。皆アドバイスをくれたのですが、同時に設備や家具などに多額のお金を費やしていていたことも分かったのです。私たちのどちらもお金が全くなかったので、投資やオフィスを持つこともできませんでした。でも、素晴らしい場所があったのです。街の中心にある音楽堂の前のシェアスペースを見つけ、少ない予算(ほとんどゼロ)でオフィスを開くことに決めました。自分達の家のPCを持ち運んで、フルーツの木箱をテーブルにしたり、拾ってきた家具を置いてオフィスを開いたのです。正式なオフィスやスタジオとは言えませんが、本部を置くという考えでゲリラオフィスを作りました。その時のプロジェクトに必要な航空チケットを印刷するプリンターが置いてあるという感じです。

PAto Architektur

QUAK!(クヮック!)マガジンとそのターゲットにつて教えてください。

QUAK!は、私たちのちょっとした夢なんです。いつも、自分達が言いたいことを言いたいだけ言えるファン雑誌のようなものを作りたいと思っていました。自分達の嫌いなものを批判したり、興味のある人々やプロジェクトを紹介できるような。これは、皆さんが参加できるプロジェクトで、コラボレーションや記事、エッセイ、ドローイングや研究などで構成されています。前に述べたように、パトはアヒルという意味です。QUAK!はその鳴き声で、パトの声です。年2回は発行できるようしたいと思っています。第一号はもうすぐ出る予定です。

今後の予定は?

えーっと、もっと働いて、もっと良いものを色んな都市で作ること。もちろん、QUAK!はとても重要ですし、今計画している展覧会もすごく面白いものになりますよ。建築、デザイン、ストリートアートと音楽が合わさった今までにないものを計画しています。また、家具や椅子のデザインも手掛けています。危機にあまり影響されないようにする、多くのコンサートに行き、夏には休みを取ることが今後の予定です。

PAto Architektur
住所:C/ Mare de Déu del Pilar 15.Bajos 2, 08003 Barcelona
TEL:93 500 5027
info@patoarchitektur.org
https://patoarchitektur.org

Text: Juan Carlos Fuentes
Translation: Maki Otomo

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