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オーバーチュア

PEOPLEText: Yurie Hatano

2008年11月より「DOTMOV FESTIVAL 2008」の上映が国内外の会場でスタート。上映作品「Bryum & Kapok: A Memory」を手がけた「Overture」(オーバーチュア)はジェイソン&アヤによるクリエイティブユニット。2004年に東京で結成され、現在はアメリカを拠点にアニメーター、イラストレーターとして活動し、ミュージックビデオ、CM、雑誌、CD/レコードジャケッ ト、Tシャツ、壁画などを制作している。DOTMOVでの上映作品は、ドイツの音楽家ハウシュカとのコラボレーション三部作アニメーションの第一弾。今月のカバーデザインも手がけてくれた、新しい場所を探して旅を続ける二人に話を伺った。

Overture
Overture © Overture

お二人のバックグラウンドについて聞かせて下さい。

私達は二人とも、特にアートスクールなどに通った事はないんですが、子供の頃からいつも何かを作っていました。

ジェイソン:子供の頃、自作のパペットショウを家でやったり、学生時代に舞台の脚本や監督などもやったり、東京に住んでいた頃は、ムーグシンセサイザーで実験ポップ系音楽制作をしつつイラストも組み合わせて、絵を楽譜にして音楽を作ったり、それが進んで絵本を作ろうとしたりしていました。

アヤ:若い頃は自分で先生を探し、飛び込んでいくような事ばかりやっていました。山の中のアーティストヴィレッジで生活したり、アイスランドの北端の小さな町で壁画制作のお手伝いをしたり、そんなことばかりでした。2001年あたりからアニメーションを作り始め、グループ展などで発表していました。

Overture
Bryum & Kapok: A Memory © Overture

それぞれどのような役割で作品を制作していますか?

イラストレーションや壁画など平面作品に関しては、特に分担というものはありません。今回のシフトカバーのように、テーマに沿ったキーワードはいくつか用意する時もありますが、基本的に即興で描く事が多いです。二人とも同じだけ想像し、手を動かします。

映像作品に関しては、今のところストーリーやキャラクターなど基本の世界観は二人で考えて、各自担当のキャラクターを決めて動画を描き、その後ジェイソンがコンピューターへの取り込み作業とタイミング編集、アヤが彩色と背景を受け持つ事が多いです。ただ、これは作品によって変わりますし、今も良い方法を模索中です。

オペラハウスを創造したことが結成のきっかけとありますが、詳しく教えていただけますか?

最初に二人で作品を作り始めた時、それぞれが持つ全く違う二つの世界が融合できる場所が必要でした。そこで創造したのが大きなオペラハウスです。二人のもつキャラクターが演じ、働き、暮らす、このオペラハウスを中心にして段々と二人の持つバラバラの世界が混ざりあい、新しい演目やキャラクターなども数多く生まれました。

これが「Overture」の名前の由来でもあります。オペラハウスの創造から始まった世界を、現実の世界で全て一度に表現するには私達の才能や時間、経済力などによって限りがありますが、例えばオペラ劇の前にその劇全体の性格やあらすじを予告するため最初に演奏される「Overture」(序曲)のように、小さくてもその世界の全体像が後ろに見える様な作品を作っていければと思っています。

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