ルシラ・ボデロン

PEOPLE

ルシラ・ボデロンが持つたくさんのポケットには、ぎっしりギフトが詰まっている。洋服にも部屋にもポケットが。そして彼女のカメラにも。空、景色、小さな本。私がそこに着くとすぐに出してくれたポートレートにお菓子にも。ギフトとポケットがあちこちにある。

ルシラ・ボデロンルシラ・ボデロン

90年代に写真とフィルムを研究したルシラは、過去10年に参加してきたマルタ・ザトニーの芸術史と美意識のクラスにて、作品の素晴らしい基礎を築いた。小さな頃よく両親と旅したパンパスが、彼女の幼年期の風景であり、RolleiflexとLomoカメラと共に再訪したテーマの1つとなっている。

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『父はドライブが大好きでした。よく車に乗って、国中の道を旅行したものです。私は一人っ子で、ファルコンの後部座席に1人で座りました。かなり退屈してたので、自分の世界を見つけていました。よく子供がやりますよね。田舎とは、私の幼年期のことを指す言葉のようなものです。数年前、田舎に戻って友人と写真を撮りました。ある意味の封じ込めをしました。どこかの段階でプロジェクトを封じ込めるのが好きなのです。』

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それは彼女が、2008年8月にArte y Parteギャラリーで行われた展示「ローライ・ランドスケープス」でしたことだった。パズルの全ての小さなピースがそこにあった。写真、本、オブジェクト。それらギフトは周りに広がり、展示も他の州へと移動した。

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これまでのキャリアの中で1番大事な瞬間をあげるとすると、何ですか?

このキャリアとはとても孤独なものなので、コラボレーションや社会的な活動の方が好きです。それが、何かが実際に生まれることを感じられる瞬間だと思います。

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クラウディオ・ロンコリーとはどのように出会ったのですか?

展覧会で会いました。そこで私が彼の作品をとても気に入り、力強く美しいアルゼンチンの風景の写真を一緒に手がけることに決めました。名前のないプロジェクトで、まもなく完成します。

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あなたの作品に生きているテーマは何ですか?

私の幼少期と、もう1つは私の投影です。例えば今取り組んでいるプロジェクトは、母親と女性についてで、この違いに私がどのように関わるか、ということをテーマにしています。私の写真は、醜いものではないと信じています。孤立した作品や、ノスタルジックなものもありますが、ほとんどが極端なものです。というのは、何か極端なものの淵に接しています。過去の場所を訪れ、そこで作品を手がけることで、その場所を再形成するのが好きです。

ルシラが好きなもう1つのものは、カメラだ。彼女はカメラを集め、それぞれで実験をする。デザイン、可能性、スタイル。彼女が新しいプロジェクトを手がけるのは、そのカメラにインパイアされているかのようだ。Lomoカメラでも、そうだった。彼女はLomoカメラを店で見つけると、スーパーサンプラー(1回シャッターを切ることで、複数レンズによる時間差のシーンを1枚の写真として撮影するカメラ)を選んだ。なぜなら、その断片、配列、構図に興味があるからで、これまでの構成から抜け出す必要を感じていた時だったからだと言う。『そのカメラによって箱から抜け出すことができ、自分の目を動かせました。私が撮った全てのもの、旅行、田舎、ビーチ、景色は、小さな頃に身近だった場所です。写真を見て気付きましたが、それは意識下で撮られたそれらの日々に対する敬意のようなものでした。』

ルシラ・ボデロン

70年代の子供の写真作品集「Tesoros Familiares(ファミリー・トレジャーズ)」について教えて下さい。

これは、あるグラフィックデザイナーの友人と一緒に思いつきました。ある日、彼女に自分の赤ちゃんの頃の写真を見せたのです(父が写真が好きだったので、たくさんありました。)そこで私達は家族写真にある意味に気付いて、本を作りたいと思いました。家族写真を見ていると、社会的もしくは文化的な習慣を発見できます。これはインディペンデントプロジェクトで、自分達で出版し、ディストリビューションも今自分達でやっています。もともとのアイディアは、60年代〜80年代の写真を集めてコレクションをつくることでした。

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写真と一緒にビデオもつくるのは何故ですか?

動きのある写真を手がけるのが好きです。新しいビデオや古いビデオを手がけていて、子供の頃に持っていたものもあります。全ての新しいプロジェクトが、それぞれ本、ビデオ、オブジェクトを伴います。コンボのようなものですね。様々な角度から見ることができれば、それに対する理解も深まるものです。

今までやっていないことで、してみたいことは何ですか?

もっと旅行をして、そこで見つけるものと出会いたいです。行きたい場所は、ロシアのモスクワ。ロシアの文化と歴史がとても好きなのです。旅行する時は全てが危険で、そこには私を奮い立たせたり動機付けたりする自由の感覚があります。さあカメラを1つ選んで出かけなければ。

彼女が荷物をまとめる前に、私はいくつかの宝物を手に入れた。運良く、彼女はそれを共有するのが好きなのだ。ポケットにはギフト、顔にはスマイルを浮かべ、宇宙に見つける場所を待ちながら、私はスタジオを出る。まさにルシラがそうしたように。

Text: Gisella Lifchitz
Translation: Yurie Hatano

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