DESIGN FOR SOCIAL IMPACT

THINGS

こんにちは「greenz」のYOSHです!

僕はここ数年「Web Designing」というウェブデザイナー向けの専門誌で「デザインは世界を変えられる?」をテーマに、ステファン・サグマイスターWEFAILフューチャー・ファーマーズといった素敵なデザイナーが、NPOの活動にどんなモチベーションで参加しているのか、インタビューをしていました。

当初それほど事例は多くなかったのですが、今では「Design21」のような自覚的なソーシャルデザイナーのためのコミュニティも登場したり、CSRやコーズ・リレーテッド・マーケティングの枠組みで何らかの形で関わるなど、デザイナーとソーシャルイシューの距離がいよいよ接近してきています。

とはいえ、“社会”はあまりにでかすぎて、一口で“社会”問題と言ってもその内実は多様。そこで最近では、NPO/NGOとデザイナーの橋渡しが重要なトピックとなっています。そこで今回紹介したいのが、「発想する会社!」でおなじみの世界的なデザイン会社IDEOロックフェラー財団のコラボレーションによる「Design for Social Impact」というレポートです。

Design for Social Impact
Design for Social Impact


greenzでも以前「The 1%」というプロボノプログラムを紹介しましたが、そちらは建築家向けとNPO向けにデザインプロジェクトを共働するためのユーザマニュアルを用意したものでした。クレジット表記のルールから「Thank youをしっかり言おう」といった基本的なことまで、貴重なヒントが満載です。

一方「Design for Social Impact」では、グローバル/ローカルなNPOから社会起業家まで幅広くインタビュー。デザイナーがソーシャルイシューに関わるための心構えや、すぐ始められる現実的なアプローチなど、とてもわかりやすく整理されています。「IDEO + Rockefeller Guide」には傾向と対策が、「IDEO + Rockefeller Workbook」は、それを踏まえた記入式のシートになっています。

Design for Social Impact

ではさっそくGUIDEから見てみましょう。

まず最初に、それまでデザインとは縁がなかった人びとに、デザインでできること(あるいはできないこと)を共有しておく必要があります。そのためには、デザインの価値を明確にすること(Provide Value)、自分たちが興味があって取り組みたい対象を選ぶこと(Be Focused)、プロジェクトを進める上でしっかりと下地を作っておくこと(Set Up for Success)が大切です。

続いて、自分たちのできることを明確に整理しましょう(Summary of Offering)。そもそもIDEOはデザインシンキングという考え方がベースにあります。それはフィールドワークのような定性的なリサーチを重ねて綜合し、プロトタイプを制作して検証していくメソッド。今まで新商品や新サービスの開発に使われていたその手法を、社会問題の解決にも応用できるのではないか。デザイン会社の普段のワークフローの延長でソーシャルイシューにコミットするのが「Design for Social Impact」の大きな柱といえるでしょう。

例えば、ケーススタディには、IDEOのエンジニアは5時間半だけディレクションしただけで、d.lightという画期的な太陽光ランタンの開発に成功した事例や、同じくデザイン会社のCelery Designは、SUNをクライアントに、家庭で発生するエネルギー量を記録できるウェブサイトを設計。ビジネスとしてイノベーティブな案件などが紹介されています。タイミングやキャパシティに応じて、現実的な関わり方を見つけていく。1回の講演だけでも、大きな気づきを与えられることもあるのです。

Design for Social Impact

選択肢はたくさんあります。問題をよく理解していて経験もあり、クライアントの信頼関係が十分であれば、コンセプトを1から考える「Concept incubation」も可能でしょう。一方、時間がないが興味があれば、1~2時間だけブレストに付き合う「Concept brainstorm」でも十分に価値がある。場合によってはビジネスとして成立するときもあるだろうし(Business as usual)、客観的なディレクションだけでブレイクスルーを生み出すことが出来る(Process guide)。問題が多様だからこそ、それぞれの適材適所があるはずです。

Design for Social Impact

ワークブックには上記を踏まえて、具体的な戦略を考えることが出来ます。「モチベーションはどこから来るのか(社会的意義、評判、社員のモチベーションなど)」「自分のできることは何か(分野、ターゲット、期間など)」「自分にとってのSocial Impactとは何か(興味は何か、何を変えたいのかなど)」といったゴールの設定(GOAL)、「もうやっていること」「活用できるリソース」といった現状の整理(TOOL)、そして実行に移すための計画(PLAN)がそろえば、後は始めるだけです。「Design for Social Impact」を持続可能にするのは、何よりもモチベーションだと思います。最初に決めたゆるぎないGOALに常に戻れるように、大きな夢を言語化しておきたいですね。

「デザインは世界を変えられる?」答えはもちろんYESです。だからこそ等身大のスケールでは何ができるだろう?気になったらさっそくワークブックをプリントアウトして、是非ワークショップを開いてみてください!

Text: YOSH from greenz

【ボランティア/プロボノ募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
コントワー・デ・コトニエ公式通販サイト | 2016 SUMMER SALE
カラードットインク
MoMA STORE