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デザインコンペのフロンティア

HAPPENINGText: YOSH

グリーンズ」がお届けするグリーン・デザイン・コラム。今回は、変わりつつある世界のデザインコンペティションに注目したいと思います。

そのコンペに参加したい!とデザイナーに思ってもらうには、ミラノサローネのサテリテのような “若手デザイナーの登竜門” といったコンペのプレゼンスがまず重要。また、世のデザイナーの興味を惹きつけるような同時代性も必要です。当たり前かもしれませんが、デザインコンペの変遷を見れば、その時代の気分が分かる。そして、最近の傾向として感じるのが、「世界を変える」というテーマに本気で取り組んでいる、ということです。

例えば、アメリカ最大のデザインコミュニティAIGAが主催する「Aspen Design Challenge」。AIGAは日本で言えばJAGDAのような団体ですが、サステナブルデザインの情報リソース「Center for Sustainable Design」を立ち上げたり「デザインの京都議定書」とも呼ばれるDesigners Accordにも積極的に協力するなど、その動きから目が離せません。

「Aspen Design Challenge」では、水問題に取り組むジャーナリストや研究者が集まった「NGO Circle of Blue」と連携し、“第二の石油”として戦争まで懸念される水資源をどう活用するのか「Design Water’s Future」をテーマに世界中の学生のアイディアを募集しています。

画期的なのが評価基準で、単なる見栄えではなく、リサーチから仮説を組み立てて、効果的な戦略を考えるという、いわゆる「デザイン的思考」を重視する、と明記してあります。また、そのアイディアをどう伝えるか、コミュニケーションデザインも問われます。水の問題は、生活の全てのシーンに関わることだからこそ、あらゆる角度からの提案が必要。デザイン学校の学生だけでなく、全ての意志ある学生がターゲットとなる開かれたコンペと言えるでしょう。
 

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葛西由香
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