ペインティング&サウンド

HAPPENING

ある土曜日の午後にブルックリン美術館を訪れた。そこから数ブロック続く倉庫街のような街並を抜けると、地元っ子が外で戯れるギャラリー「ファイブ・マイルズ」を見付けた。

Synesthesia

館内には音楽が流れ、大小およそ10点ほどの絵画が展示されている。その音楽は、一風変わったビートとリズムを刻みながらも、まるで寺院にいるような落ち着きを感じさせる、「鈴」のインストのように響き渡る。


展示のテーマは「Synesthesia – with sensation paths cross, images are heard, sound is seen」(共感覚-そして感覚の途は交わり、イメージが聴こえ、音を目にする)

ジョセフ・ウールリッジはハイブリッドな画家。瞑想をしながら、「Tibetan payer bowl」(お椀型をしたチベットの法具) を容器にキャンバスに向かう。サウンド・アーティストであるチャールズ・ファンブロとのコラボによって、ジョセフの奏でる音が電子のアコースティック音楽と重なり合って行く。音楽が頭に流れる中、絵画のそばに寄って観察してみる。それぞれの筆遣いとペイントのレイヤーが、彼らのコラボを通して、彼のメディテーションの様子をはっきりと心に描かせる。

Synesthesia

数字の「2」をモチーフにした作品。

Synesthesia

ジョセフは「Tibetan payer bowl」をペイントバケツとして使いながら、一般の人々を招待して自由に参加してもらう形をとり、それら器の響きは彼のペインティングを進行中の瞑想へと昇華させていく。

Synesthesia

ギャラリーを出て、倉庫の外の陽のあたる場所に腰掛けてみる。このギャラリーの創設者であるハンネ・ティアニーが話をしてくれた。ここは元はビュイック(米国車)のショールームとして建てられた建物だそうだ。ジャーナリストであった息子をシエラレオーネ(アフリカ西部の国)で失い、その遺志を継いで「ファイブ・マイルズ」を設立。2年毎に名の知れた大物アーティストから無名なアーティストまで幅広い作品をアフリカ東部から運んでくる。1999年の開設以来、アートシーンの主流とは一線を画し、地域と密着したコミュニティーを築きながら、彼らオリジナルのルーツを大切にする意志をもつ、そんなギャラリーである。

Synesthesia
チャールズ・ファンブロ(音楽)
ジョセフ・ウールリッジ(絵画)
会期:2008年5月10日~6月14日
時間:金土日の午後1時から6時まで または要アポイント
会場:Five Myles
住所:558 Saint Johns Pl, Brooklyn, NY 11238-5502
TEL:718-783-4438

Text and photos: Josephine Sze Chan
Translation: Yoshitaka Futakawa

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