ブルーノ・ムナーリ

PEOPLEText: Francesco Tenaglia

回顧展とも言える本展では、1953年作「ジオカットーロ・スキミエッタ・ジジ(猿のおもちゃジジ)」など、彼の代表作が展示されている。この展覧会のキュレーター曰く、この作品はインタラクティブな彫刻作品の先駆けと考えられており、この作品が子供だけではなく全ての年代の人に向けられた作品であると捉える人もいる。当時世に出たばかりのフォームラバーが使用されたのは革命的で、お馴染みのアームチェアーやソファー、60年代のイタリアのデザインに象徴される「フォークランド・ランプ」などにも使用された。

ブルーノ・ムナーリ
Abitacolo, 1971, Strutture Metalliche Portanti, 194x256x83cm, Produzione Robots, Collection Renato Rebolini, Milano

今回の展覧会の大部分は教育の分野での彼の考えに忠実に沿ったものであり、1940年の彼の息子アルベルト誕生の後、視覚的な世界を基盤とした世界というものに対しての人々の意識を高めるためのアイディアを深め、本展ではムナーリメソッドの発表の場として子供のための実験的な場として大きなスペースを設けている。

ブルーノ・ムナーリ
Libro letto(Bed Book), 1993, 6 cuscini di materiali diversi, 70x70cm, Produzione Interflex, Collection Marco Ferrani, Milano

幼児期へのムナーリの関心は、彼のキャリアの中で制作された子供のための美しい絵本やゲームによって見て取られる。有効な展示方法や情報が沢山詰まった本展は、この20世紀イタリアのクリエイティブ界で最も興味をそそるデザイナーへの感動を存分に味わう事のできる展覧会である。

Bruno Munari Exhibition
会期:2007年10月25日〜2008年2月10日
会場:Rotonda della Besana
住所:15 Via della Besana, 20122 Milano
https://www.mostrabrunomunari.it

Text: Francesco Tenaglia
Translation: Kyoko Tachibana

【ボランティア募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
MoMA STORE