176 ギャラリー

PLACEText: Sayaka Hirakawa

遅く起きた日曜日に散歩がてらに出かけたい。そんな気持ちにさせられるアートスペース「176」が、昨年9月、北ロンドンのチョークファームにオープンした。以前紹介したニューカッスルにあるバルティックでも企画展が開催されていたザブルドウィック財団の、こちらはオウンスペースにあたる。イギリスを代表する美術収集家であるザブルドウィック夫妻の所有する、千点を超えるコレクションの一部が公開されている。

176

名前の意図する通り、プリンスウェールズ通り176番地に位置するこのギャラリーは、1876年に建てられた教会を改装した作り。英国博物館のミニバージョンのような、といってもまだ見上げるほど巨大なギリシャ建築風の柱をくぐると、意外にもガラス張りのモダンなレセプションスペースへ抜ける。

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展覧会スペースは大きな展示室が二つと、迷路のように入り組んで位置する8つの小さな部屋で成っている。一度はドラマスクールとして使用されていた名残がうかがえる二階席からは、一階の大展示室を見下ろすことができる。狭い階段や暗い廊下をみしりみしりと歩く時に感じるちょっとしたおっかなびっくり感は、そのときどきのコレクションへの期待感を高める自然なエフェクトになっているかもしれない。

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