ポートランド・ファッション・ウィーク 2007

HAPPENING

エミリー・ライアンの建築学的かつ蜂の巣のようなドレス、IDOMの腰の下あたりまでカットされた、オープンバックの黒いトラピーズ・カクテルドレスやケイト・タワーによる床まで届く長さの流れるようなバラ色のチュールガウン、そしてセイムアンダーニースのランウェイ等、ポートランド・ファッション・ウィークは拍手喝采の時をそれぞれで共有できたようだ。アメリカで初の継続して行われているファッションウィークである。

Portland Fashion Week

2007年のポートランド・ファッション・ウィークはウィラメット川のほとりにある造船所で6日間のランウェイショー(一日5〜10人のデザイナーによる)を行い、さらにパネルディスカッション、前後のパーティも合わせて行われた。ポートランドからのデザイナーを多くフューチャーした今年だが、サンフランシスコのデル・フォルテ・デニム、そしてシカゴからのララ・ミラー等のブランドも見つけることができた。

ポートランドは膨大な数の個人のファッションデザイナー、ジュエリーデザイナーやアクセサリーデザイナーを持ち、また小さなブティックもたくさんある。アンナ・コーエン、リサ・リエッツ、リエナのジェス・ビーブのような最高級のデザイナー、セイムアンダーニースやヘックルウッドのようなストリートウェアライン、エミリー・ライアンやリーニマルのようなアバンギャルドなデザイナー、と多様なデザイナーがここから世界に向けて発信しているのだ。そしてポートランドでは、個人のデザイナー達がお互い協力しあい活気に満ちた、強く結束されたコミュニティができていることにも触れておこう。

ランウェイでは、高級指向というよりはTシャツドレスやAラインスカート、コットンのサンドレスなど、わりと主流なラインが多かった。スタンダードながらも、強い方向性を持ったデザイナーが非常に多かったと思う。
これらのデザイナーの多くは「ザ・コレクションズ」という名の共同体の一部のようだ。彼らのほとんどのは限定物や一点物(顧客のための特注が多い)を制作しており、クロエのフィービー・フィロや、スリーアズフォー、バックミンスター・フラーからの影響も見られる。彼らの作品は厳格なミニマリズムから懐かしさを感じる物、繊細な女性らしさを表した物まで幅広い。

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「ザ・コレクションズ」からの何人かのデザイナーは2007年度の秋コレクションを見せつけた。ジェス・ビーブによるリエナはミニマルなコレクションを見事に披露し、裏表の胸のジッパーが少し見せられた、余計な装飾のないボイルドウールのドレスや、黒いミニドレスの6インチほどの折り返しの裾がとても良いポケットを形づくっていた。

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リサ・リエッツによるコレクションはオーバーサイズな、柔らかい灰色でハイウェストの長いサスペンダースカートやドレープのポケット、着物ジャケットに見えるようなチャコール色のコートが素晴らしかった。

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エミリー・ライアンとリーン・マーシャルの二人は彼女たちのライン、リーニマルは革新的な表面のディテールが印象的な彫刻風とも言える作品を披露した。エミリー・ライアンによる、水平のひだのついた、マント付き(ウエストに付いているもの、PFWがテーマのよう)の硬いワンピースの上にギャザーの丸い装飾の付いた作品は素晴らしく、表面のディテールがこのドレスを構成していた。また、有機的なギャザーのインセットや首もとのジャボのようなひだ飾りのついた膨らんだスカートの複雑なドレスも印象的であった。

Portland Fashion WeekPortland Fashion Week

スージー・ジョンソンのカシミアライン、ソウイチは秋というよりも春に似合いそうだった。タンクやショーツ、カーディガンやヘルムートラングのような解体されたかのような美しいドレスを見ることができた。

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メンズではジョン・ブラシオリによるア・ブローケンスポーク(the Decemberistsの衣装を担当)は一風変わったベスト、ざっくりとしたジャケット、形の良いデニム、そしてレディースのラインにありそうなディテールやカットの細かいライン、白っぽいベストの首の後ろの方に布で覆われた3つのボタンのついている物や、ほぼセーターのようなクリームカラーのベスト等を見せた。

エミリー・カッツはクローゼットからすぐ出して着られるような、おそらく一番使えるモダンラインを私達に披露してくれた。「Wow」という名の毛羽たったフリースのレインコートや、オーガニックコットンの巻物やずきんのような首もとのドレスといったベーシックなラインもあった。

イタリアのファッション界での豊富な経験のあるアンナ・コーエンはデザイナーの中でも、凄まじく持続性のある人物である。彼女のスプリングコレクションは芸術的なドレーピングとさくっとした仕立ての調和が良く、美しいラインのジーンズやパンツと小さなトリムジャケットが印象に残った。

竹製のランウェイやリサイクルされた布や素材、低いエネルギーのライト等を使い、ポートランド・ファッション・ウィークのオーガナイザー達はイベントを通じて持続可能性について私達に考えさえた。ヘアーを担当したチームはポートランドで作られている「Sidlab」という環境に優しいヘアプロダクトを使用し、全てのフードとワインはオーガニックであった。

ポートランド・ファッション・ウィークは運命と共に、この都市のファッションデザイナーのコミュニティにスポットライトを長い期間当て続けることを証明してくれるようだ。

Portland Fashion Week
会期:2007年10月19日〜24日
会場:Vigor Industrial
住所:5555 North Channel Avenue, Portland, OR 97217

Text: Lisa Radon
Photo: Pete Springer
Translation: Junko Isogawa

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