OFFFフェスティバル 2007

HAPPENINGText: Eduard Prats Molner

7回目のOFFFフェスティバルは修復の様子をうかがわせる。そのためか、リッチなメディアもオトナになったようでオフになっているのである。私個人の意見では、OFFFはこれまでで一番中身のある、堅実なアイデンティティを見せてくれたように思う。テクニカルな問題はさておき、チケットは完売、イベントの運営のほぼ完璧に行われていたと思う。

2007年度のこのフェスティバルは初の試みである、一時間ごとの「Nice To Meet You」というなんとも丁寧なアナウンスの応対があったのだ。そしていつもの通りバルセロナのCCCBの雰囲気は素晴らしい物であった。


ショッピングエリア (左) メインカンファレンス会場 (右)

そのうえOFFFは、運営スタッフが過去の機会でも何度も呼ぼうとしていたジョン前田をようやく会場に迎えることができたのである。おめでとう、OFFF!そしてこのような心に残るイベントをありがとう、と私は言いたい。しかし、全てが完璧なわけではなかったのだ。事実、プログラムのパンフレットが弱く、ページを失くすことなく一日を終えるのが困難で、さらに数人の観客から指摘されたインターネットアクセスの不都合も残念な点である。

大きなカンファレンスホールとこのフェスティバルの中心「Roots」、 別な会議を行う場所で、ローカルアーティストにパフォーマンスの場所を与える「OpenRoom」、展示スペースの「ShowPlace」、モーショングラフィックスとセレクトされた物を見せる小さな映画館のような「Cinexin」、音楽パフォーマンスとDJに捧げられたスペース「Loopita」、ショッピングエリアとバーのある「Mercadillo」という、前回と同様の構成でフェスティバルは開催された。

プレスパスを受け取ってからすぐにしたことと言えば、バーやショッピングエリア、そしてDJブースのあるパティオの外に繰り出し、なんとも心地のよい雰囲気を味わえた。ここは誰にでも入ることのできる素晴らしく開放的な場所である。

ステファン・サグマイスターヒルマン・カーティスがオープニングアクトとしてやってくる! OFFFにこのようなビッグネームが揃って来ることは初めてであり、十分に早くカンファレンスホールに着いたと思いきや、すでに会場はほぼ満員だった。

スタッフが軽く今回の意図を説明し、私たちを歓迎する。しかし、非常に残念なことにステファン・サグマイスターは会場に来ることができず、ニューヨークの彼のスタジオで撮影されたスピーチの映像のみの出演となった。


ステファン・サグマイスターの映像 (左) ヒルマン・カーティス (右)

ビデオの後、ヒルマン・カーティスがプレゼンテーションを始めた。過去のプロジェクトとFlashサイトのバックグラウンドについて手短に話し、最近の映画プロジェクトとビデオ作品についての話を始めた。

彼の最初のビデオ作品はリチャード・アヴェドンという才能のあるポートレイトフォトグラファーからインスパイアされた物である。
ビデオカメラを被写体の前に置き、瞬きや微妙な表情の変化をとらえるまでしばらく撮影するのである。ひとつのポートレイトを撮影する間は決して誰もスタジオには入れないのだ。

彼の最新の映画プロジェクト、ドキュメンタリーとショートフィルムのセットは下記の3つの基本的なルールに基づいて作られている。

1)7分以上は撮らない
2)ひとつのロケーション
3)カメラはひとつのみ

素晴らしいビデオメーカーのマーク・ロマネクについてのドキュメンタリーと、「soldiers」というショートフィルムの彼の二つの作品を観ることができた。

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