オブティカル・サウンド展

HAPPENING

「オプティカル・サウンド」開催中の近代・現代美術館(Galleria d’Arte Monderna e Contemporarnea)に辿り着いてまず始めに経験すること、それはサウンドである。ニューヨークとベルリンに住居をかまえるアメリカ生まれの若手アーティスト、ジョーダン・ウォルフソンは館内の広い中庭にさりげなく烏の鳴き声を拡散させるスピーカーを据え付けているのだ。既に2006年のホイットニー・ビエンナーレでも披露した試みであるが、小さな鳥を追い払い、仲間のカラスを周りから呼び寄せる効果があるいう。

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始めに目にする作品「Forest from Above in Reverse」は無音の16ミリフィルムで、カメラが人の視点よりもかなり高いアングルから軽く火の放たれた草原をゆっくりとひきながら捉えている。アーティストの説明によると、このロケーションはあのウォルト・ディズニーが13歳の時にレイプを目撃したミズーリの街、マーセリンからほど近いという。とてもミニマルな撮影課程に徹しており、作品は写実的ドキュメンタリーの穏やかさとホラー映画のほんのりとした苦痛を優しく兼ね備えている。同様の映画やテレビ番組の場合と同じように、美しく流れる映像を遮る何かが起こるのではないかと聴衆を途方に暮れさせる。

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「Landscape for Fire」は美術館によって製作され、単独上演されているデジタルビデオの作品である。1972年に英国のアーティスト、アンソニー・マッコールによる同名のフィルムをご存知だろうか。作業服に身を包んだ男達が、変化し続ける幾何学模様を生み出す火のみが放たれた草原に広がり歩き回っている。オリジナルと比較すると、ウォルフソンは編集や音響技術によってコンテンポラリーなポップさを加えており、元のパフォーマンス/ランド・アート・ドキュメンタリーの「カバー・バージョン」(ロックミュージックのような)と位置づけている。

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アーティストの意図としては、このマッコールへのトリビュート作品が将来に他の誰かによってさらに“カバー”されることによって更新され続けられていくことを望んでいる。
理解/説明しにくくはあるが、世界でもっとも注目される若手アーティストとしての片鱗を確信させている。

Jordan Wolfson “Optical Sound”
会期:2007年5月9日〜7月29日
会場:GAMEC – Galleria d’Arte Moderna e Contemporanea
住所:Via San Tomaso 52, Bergamo

Text: Francesco Tenaglia
Translation: Yoshitaka Futakawa
Images: courtesy of GAMEC

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