12:12 展

HAPPENING

このオリジナル展覧会は、リスボンの「ファブリカ・フィーチャーズ」で開催された。


ファブリカ・フィーチャーズについて知らない人のために少し説明する。ファブリカ・フィーチャーズは、リスボン、パリ、イスタンブール、香港、ボローニャなど、様々な都市にあるカルチャー&コマーシャルスペースのネットワークで、地元アーティストの展覧会や、コンサート、ビデオ上映、ライブパフォーマンス、ワークショップ、レクチャー等を行うことを主な目的としている。ファブリカ・フィーチャーズ内にはまた、様々なカルチャープロダクトのための部門があり、CD、本、ビデオ、世界中のアートやデザインマガジン、ファブリカが制作した、または世界中からセレクトされたデザインオブジェクトなどを扱う。

12:12」展は、12人のポルトガル人デザイナーが「時間の概念」という同じテーマのもとに具体化した作品を展示するというもの。ファブリカに加え、リスボン大学ファインアート科とポルトガルデザイナーズ協会の協力のもと、12の作品が披露された。

初めの作品は、リタ・ボテリョによる「プレイタイム」。彼女が示唆するように、時計は今日の欠かせないオブジェクトになっている。時間に追われるグローバル化した慌ただしい世界で、私たちの進行を統治する。それは1967年にジャック・タチが映画「プレイタイム」の中で明らかにし、批判した、無意識にロボット化した人々が住み着くこの世界だった。
リタの時計は、シルバーとゴールドの16mmフィルムのブリキでできた掛け時計で、ライフリズムをセットし、私たちをジャック・タチの映画のキャラクターにすることを可能にする。この時計には、接着剤やねじが一切使われておらず、簡単に組み立て/解体ができ、再利用が可能だ!

ゴンカロ・ピメンタによる時計は、永久式太陽時計をトリビュートしたもの。影が、もはや地球の回転の表象ではない動き、個人の1日の周期で循環する。とても微細で裸眼では捕らえにくい影の動きをもつ古典的な時計とは反対に、リアルタイムのスピードで動く。

ヘマーソン・コスタによるコンセプチャルな時計「グリーン・ムーン」は、時間は積もり、撤回できないものというアイディアからつくられた。各時、各分、消耗がいつも現在を残すとして、消えてなくならない過去の部分はそれ自体でいつも輝いている。この時計のデザインは主な構成として非同心円から成る。月にインスパイアされた形で、時間の構成要素としての神秘さから選ばれた。

リカルド・ジェロニモのこの展覧会に対する答えは、現在の「時間とは何か」という独自の抜本的な見解提示を目的とした、深くてコンセプチャルな問責を共にした作品だった。
この作品は、2つの金属球を「軌道」とし、直径30センチの黒光りしたアクリルの円で構成されている。大きい方の軌道が時を現し、小さい方が分を現し、それらの球は磁力によって保持されている。単なる時間のコンセプトではなく、ユニバーサルな時間を具象化しながら時間とスペースを移動する。
この作品が私にとって、最も変わっていると思う。時計というよりも、天文学からの作品だった。しかし、最も愛着が湧いた。素晴らしい作品!

ティアゴ・ヌーネスの「タイムライン」もまた変わっていて惹き付けられる作品だ。
作家は、時間は私たちにいつもつきまとい、生活を統治する「ライフ定数」と呼ぶべきものだと言う。この私たちの時間間隔の概念は、たくさんの方法で現すことができる。
「タイムライン」は、歴史の時間表現に基づいており、日常の時間を具体化するために、区分されたラインに鍵となる出来事の信号が送られる。赤い光の集合によって、時間は破線で現され、時と分を表示する。一般的な円形時計ではない、ライン表示と形が著しい。

アンドレ・ゴウヴィアの「Serie2」は、ステンシル、シルクスクリーン、オフセット等さまざまな技術を使ってつくられた精巧な作品。ファブリカ・フィーチャーズ・リスボンの壁に直接設置され、ギャラリーの一部のように見える。

チクタクチクタク。時間は毎秒進むが、この時計はとても静的である。時計というよりは彫刻のような。ミゲル・アンドレードの作品「One」。

時間はとても繊細である。「バトル・フィールド」は、カルチャーが個の体験や方向に直面し、個がそこから選んだものを表現する場所。またこれは新しいカルチャーモデルが制限なく実行される実験室でもある。「タイム・スライド」プロジェクトは、この個の反応を創りだすことを模索し、従って健康的融合を求める社会に向けられており、時間は評価のシンボルとなる。

とても深いコンセプトだが、小さなバスタブに石けんという、とてもシンプルな表現。ポルトガル語の説明しか持ち合わせていなかったので、理解するのに苦労した。いずれにせよ、これは他から際立った時計。

ルイ・パルマの「Untitled」時計からは、音楽、友人、昼食、勉強、プレーステーション、恋愛など、時間は私たちの生活にある様々な物や活動から成っていることを感じる。

パウラ・ピレスの「ターニング・クロック」はシンプルだがよくできていて、ターンする時計という、タイトルをそのまま現している作品。あまり実用的ではないかもしれないが、全てがこの時計のまわりを囲むというアイディアがある。

「ミスター・クロック」もまた、お気に入りの作品の1つ。思い出せないような古いアニメのキャラクターを思い起こさせる。何にせよ、とても面白くよくできた作品。

「スウィング」は、クラシックとモダンの時間の融合。それぞれ違う方法で時と分に分けられている。しかし使いやすく、わかりやすい。

この展覧会は3月16日まで行われている。もしリスボンに訪れる機会があれば、ゆっくりと見に行ってみては。

12:12 WAYS OF SEEING AND LIVING THE TIME
会期:2007年2月10日〜3月10日
会場:FABRICA Features Lisboa
住所:Rua Garrett 83, Lisboa

Text&Photos: Emanuelis Ryklys from RUT RUT
Translation: Yurie Hatano

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