PISTOL2 展

HAPPENING

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札幌市内の名所のひとつ札幌時計台。今回レポートするエキシビション会場は札幌時計台ギャラリー。時計台より歩いて2〜3分のビルにある市内の老舗ギャラリーである。隣にはこれも老舗の大きな画材屋さんがあり、市内に住むアートに興味がある人ならお馴染みのエリアだろう。しかしながら、実は僕はこのギャラリーに行くのは初めてだった。なぜかといえば、このギャラリーは僕が馴染みのある現代美術系のエキシビションはあまり行われないのである。


最終日の終わりの時間近く慌てて駆けつける。場所はたくさんのビルが隣接しているところなので迷う。冷静になって上のほうを見ると「札幌時計台ギャラリー」という大きな看板があるのでわかった。入ってすぐの階段を上がる。壁面に美術展のポスターなどがあって階段を上がったところにはチラシやDMのコーナーがある。ザッとみていても、自分がよく足を運ぶようなものは、やはり少ない。当たり前の話なんだけど自分の知らない美術展というのもたくさんあるのだな、と思った。廊下を進むと複数の展示室が見える。「PISTOL2」は左に位置する展示室だった。

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「PISTOL」とは市内在住の美術作家、齋藤周武田浩志の展示プロジェクト。今回で2回目。最終日ということで、たくさんのお客さんに対応している合間にお二人に少しお話を聞いてみた。2回目を迎える本展示については、「単なる仲良しアーティスト同士の合同展示会にはしたくなかった。そのために会場選びから慎重に考えて『札幌時計台ギャラリー』という今まで活動を行っていた現代美術系の展示スペースとは違う場所を選んだ。本ギャラリーは老舗のギャラリーであるため、ここでおこなわれる展示にすべて訪れる熱心なギャラリーファンの人達に自分たちの作品を観てもらいたいのと、逆に自分たちが展示をすることによって、このギャラリーに初めて足を運ぶ人にはこのギャラリーの空間を体験してもらう、という意味を考えて会場を選んだ」といったお話をいただいた。

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展示スペースでは、最初に入ったフロアが、齋藤周、奥が武田浩志の展示空間になっている。二人の作風は異なるにもかかわらず不思議な一体感と、穏やかなで、たしかなエネルギーを感じた。齋藤周の平面作品は意図的に傾けて展示してあったり、壁から落ちたような雰囲気で床に展示されていた。実際に展示を「曲がっていますよ」と指摘されたこともあったそうだ。展示の仕方が、壁面や床面の堺を無くしていくスタイルが興味深く、それが前衛的というよりナチュラルに感じられる心地よいものであった。

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武田浩志の一番奥の壁面スペースは部屋をイメージしたような展示がされており、両端に左右のカーテンがあったり、照明があったり、作品自体も小さめなものだったりとユニークなものだった。その中にあるヒーターは現実の設備なのだけど、これらの展示と自然にマッチしているのがおもしろかった。他の壁面には平面作品がシンプルに展示されており、ナイーブさと力強さが感じられる作品だった。

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「PISTOL2」は全体像がよく考えられたコンセンプチュアルなエキシビションであると同時に、ひとつひとつ作品としても見応えのある展示であった。作品本来の魅力と、加えて展示全体を演出するトータルコンセプト。この2点がポイントではないだろうか。今後も、それをふまえたアーティストのセルフ・プロデュース能力というのは重要になっていくに違いない。そういった流れの中で、次回の「PISTOL3」はどうなるのだろうか?それを楽しみに彼らの活動を応援していきたい。

PISTOL2
SHU SAITO & HIROSHI TAKEDA a.k.a. Azkepanphan

会期:2007年2月19日〜24日 10:00〜18:00(最終日は17:00)
オープニングパーティー:2007年2月19日 18:00〜19:30
会場:札幌時計台ギャラリー
住所:札幌市中央区北1条西3丁目札幌時計台文化会館A室
入場無料

Text and Photos: Shinichi Ishikawa from Numero Deux

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