マーティン・ローレンツ

PEOPLEText: Yurie Hatano

今月のSHIFTカバーは、バルセロナを拠点にTwopoints.Netとして活躍するマーティン・ローレンツ。札幌SOSOで2007年の幕開けとして展開される、彼のプロジェクト「The One Weekend Book Series」展に連動してフィーチャーする。展覧会、カバー、インタビューを合わせてマーティンの旅をお楽しみください。

まず始めに自己紹介をお願いします。

マーティン・ローレンツです。Twopoints.Netの設立者です。ハノーバー(ドイツ西北の港町)に生まれ、18歳の時にコミュニケーションデザインを学びにダルムシュタットへ。その3年後、先生や学校、国を変える必要があると感じ、オランダに移りました。オランダ語を学び、グラフィック/タイポグラフィックデザイン専攻でハーグのロイヤルアカデミー・オブ・アーツに2年通い、卒業しました。先生達は、国際的に評判の企業/タイプデザイナーだったので、企業デザインを専門化する機会を得て、タイプデザインに対する自分の熱意を発見します。2001年にフランクフルトへ移動し、4年間働きました。僕と妻はその間、本当に沢山の旅行をし、沢山の場所を知りました。その中で一番気に入ったのがバルセロナです。街、人、気候、食べ物、全ての人生を豊かにするものを、ここバルセロナで見つけました。スペイン語を勉強し、スペインに移ってきました。

そしてやっと腰を落ち着け、戦略的デザイン/コミュニケーションの会社を設立しました。学校で教えているデザインプロジェクトの他に、デザインワークショップや講義も行っています。

2000年以降には、自分たちのプロジェクトも開始しました。これまでにリリースしてきたプロジェクトは「The One Weekend Book Series」「Chinese Whisper」「Poster Series」「Color Combinations」「Cover Of The Week」です。

これらの全ての活動の他にも、バルセロナ大学でデザインの博士課程で研究をしています。今年は、他のヨーロッパの大学と共同で取り組む博士論文からスタートします。デザイナーとアカデミック調査員は、情報、知識、経験等を取り交わす機会のない平行な世界に生きていることが多いです。これが両方の分野の裕福さを意味するとしても。僕の目的は、デザインの可能性を発展させるために、デザイン、社会学、哲学、経済学、と分野を広げて調査を拡大することにあります。

拠点としてきたフランクフルトと現在のバルセロナのアートシーンはどのように違いますか?

この2都市を比べるのは不可能なくらい、違いすぎます。フランクフルトはこじんまりとした良い街です。アートシーンの範囲もとても小さく、ほとんどが主にオフェンバッハか、フランクフルトのシュテーデルシューレのアートスクールに関係しています。ベルリンの方がアーティストにとって面白いようなので、ある程度の段階でみんなベルリンや、他の大きな都市に移って行きます。

バルセロナはとてつもなくエネルギーにあふれた場所です。僕の友人であるボリス・ホペックが、バルセロナに住んでいるから世界を旅する必要がもうない気がする、と言っていたことがありました。本当に沢山のことがここでは起こっています。常に世界が訪れる場所といった感じです。


最近の主な活動を教えてください。

Twopoints.Netは、戦略的デザインとコミュニケーションのための有限会社として設立しました。バルセロナの中心にオフィスを構え、研修員を得ました。年末にはもう一人雇うことを望んでいて、つまりTwopoints.Netはオフィスをベースに4人、それから頻繁に一緒に働くネットワークからの多数から成ることになります。より大きなプロジェクトを運営するのに最適のシステムです。

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