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アンドレ・フェルナンデス

PEOPLEText: Gisella Lifchitz

物事は探していない時に見つかるものだ、と言うが、この時それは本当だった。その夜、何が私をインターネットに導いたのかわからないが、何が私を留まらせたのかは明らかである。まるで予期せぬ不思議な旅の途中であるかのように、長い間巡回していた。

アンドレの世界は、驚きと流れ星に満ちている。一番にまず、この体験を始める場所がわからない。そこで彼の案内に従い、イラストレーションを巡る旅に出る。

ここで、現実的な部分、彼の美しいドローイングの全てに横たわる心理学を発見する。そこにはまたやわらかい皮肉がある。悲しく批判的ではなく、希望に満ちた皮肉が。一見、子供の絵の用に見えるが、そのうちに、それは誰もが持つ内側にある子供の部分を示唆しているのだと気づく。そうしていると、彼はまた自分の現実世界を私たちに示しているのだということも分かる。もちろん、アーティストにとって現実の生活とアートを切り離すのはとても複雑なことだ。

アート作品とは、日常の生活や経験を反映したものではないのだろうか?

これらのドローイングは目の前にして、触れて、嗅ぐことで、スクリーン上よりもさらに美しい。そしてアンドレは生気を帯びて、私の目の前に姿を現した。このようなクリエイティブなものが実際に存在すると信じることは、私にとって時にとても困難なことである。

『僕はシネマ大学を卒業した。』アンドレは教えてくれる。彼自身なぜそこで学んだのか定かではないが、そこで必要とされる技術的な情報を、イラストレーターとして作品の発展に利用した。ドローイングは彼のパッションとなり、独学で学んだ。『僕は常に描く。最初は父と一緒で、父は建築家だったから、いつも僕は隣にたって描いた。』

『数年前、子供絵本のイラストレーター協会に入ったんだ。なぜならプロフェッショナルのイラストレーターになるという希望が、正確にどうすれば叶うのかわからなかったから。協会に入ったのはとても助けになったよ。子供絵本の展覧会に参加したり、フリーランスの仕事に結びついたりした。』アンドレが言う。

アンドレはユニークだ。彼のアニメーションに現れているように、とても深く技術的な知識を得ていて、思慮深く、現実的で、シンプルなビジュアル。彼は循環した時間とアイディアと共に働く。素晴らしいアーティストがそうであるように、偶然や運と共に進んできた。

現在彼は、フリーランスのイラストレーターとして学生に向けた英語とスペイン語の本を手がけている。ただ好きなことをしているだけで、お金がもらえるとは、とてもラッキーだと彼は言う。ある意味、彼がカラーペーパー上で与えてきたラブ&ファンタジーを世界の一部がお返ししていると言えよう。ウェブサイトとブログでは、アイディアを交換することに常にオープンで、そういった行動が対価を持つ。『オンラインプロジェクトには沢山参加している。顔も知らない人達と一緒にね。』

誰がこの旅で次に起こることを予想できよう。私たちもアンドレも知らない。しかし、次に起こることを予想しなければ、探さなければ、次のベストはやってくるだろう。

Text: Gisella Lifchitz
Translation: Yurie Hatano

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