ミュージック & スカルプチャー

HAPPENING


札幌のアーティステックなイベントといえば、ソーソーカフェなどがある西方面か、クラブのあるススキノ方面という印象がある。札幌駅周辺はどうだろうか?JR札幌駅の北口から7〜8分も歩くと市内最大の規模の北海道大学。北大の構内は自然が多く、休日は観光客や一般の人も多くみかける。そのあたりも楽しんでみるのも、ススキノや時計台周辺とは違った楽しみ。そのエリアで行われたイベントを紹介しよう。

「MUSIC & SCULPTURE —音楽と彫刻—」その名のとおり「音楽と彫刻」のイベント。音楽はライブで、そして彫刻もライブ。プロデュースは札幌を拠点に「感じるクリエイション」をテーマに芸術文化事業の企画制作を行っている「sastro」(主宰 木野哲也)。スタートは17時より。会場は「呑喰龍」。札幌駅から歩いて6〜7分の北大キャンパスにほぼ隣接している。このお店は普段はお酒や食事が楽しめる夜型のお店。建物が魅力的。木造の古い民家を店舗にしたものだと思う。東京などでは都心でも裏通りにはびっくりするほど古い建物がある。しかし,札幌の中心部にはそういった建物はほとんどない。だから、逆に古い建物を使ったカフェやレストランというのは大変注目がされるし、できるだけそのままで使われる場合が多い。

入口付近には、赤い色の灯籠があり,お店であることはわかりやすい。入口は本当に民家な感じだ。中にはいると本日のイベントの受付があった。そこのすぐ左にいくと店内に入る。入ってすぐに、DJブースと、ドラム、キーボードのライブ・セット組まれてあって,ちょうどDJ中川貴博氏がプレイを行っていた。その空間は、フロアと飲食の空間が一緒になっていて、奥にカウンターがありDJバーのような雰囲気。お客さんが、お酒や食事を楽しんでいた。

庭に出てみる。森林があって全体的に地面がくぼんでいるようで視線が下がる。そのため敷地外の光景がほとんど見えない。1分も歩けば、ビル街のはずなのにそういった光景がまったく見えないので、札幌市から遠く離れた自然の中のレイヴ・パーティの会場に迷い込んだ感じ。

ここでは、このイベントのメインのひとつ彫刻が行われていた。観客の見まもる中、丸太一本をチェインソー削っている人物。その人が彫刻家、国松希根太。1977年札幌出身。現在、文化女子大室蘭短大の美術講師を務めながら、北海道白老町で制作活動を行っている。3年ほど前より、展示会など道内を中心に精力的に活動をしている若きアーティスト。今回のイベントでは、作品の制作をイベント中に行い、作品をステージセットのひとつとしてバンドのライブを行う予定だ。

彫刻の制作というと、ミノとかトンカチのような道具で、コツコツやるというイメージがあった。しかし、今回の国松希根太の制作風景は、チェインソーや、バーナーも使用する。静かというよりも、攻撃的とも思える。作品のイメージは女性の全身像。スケッチが置いてあって、それを見ながら制作が進む。丸太も生き物であり、それ削っていって、女性像を作り上げるのは、とてもセクシーな行為に感じられた。まわりの緑に囲まれた環境もあわさって、とても不思議な気分になる。高揚感とか、興奮ではなく、アンビエント・ミュージックが、ぴったし自分のツボにはまったような、ゆったりとした気分になった。

制作から、3時間以上経過しただろうか。作品が完成した。しばらくのおつかれさま、という感じのインターバルがあり、そして作品が店内のステージセットに運びこまれる。そして、SHUREN the FIRE のライブがスタートした。

サウンドは、しっかりと地に足がついており、ジャズっぽい雰囲気もある。ジャズの即興性と、ヒップホップのサンプリングは相性の良さがあると思うし、MCというのは、現代の「詩人」ということか考えると、「ヒップホップ」というのを「スタイル」ではなく、音楽の持つ「スピリット」という部分で体現しているアーチストだと思う。僕にはジャンルを考えずひとつの「音楽」として純粋に楽しい時間が過ごせた。僕は日本のヒップホップにどこか違和感を感じていたのだけど、SHUREN the FIRE には、雑多の要素そすべて取り込んで自分達のオリジナル・スタイルとして表現できていると感じた。

札幌の短い秋。秋を告げる「秋分の日」に体験した、「音楽」と「彫刻」。自然に囲まれて場所で、ナチュラルな気分に浸れるイベントだった。

[ MUSIC & SCULPTURE ] —音楽と彫刻—
日時:2006年9月23日(土)17:00〜
会場:呑喰龍
住所:札幌市北8西5北大南門
LIVE MUSIC:SHUREN the FIRE
LIVE SCULPTURE:KINETA KUNIMATSU
http://www.donk.co.jp

Text and photos: Shinichi Ishikawa from Numero Deux

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