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ワビサビ展「肉体と血」

HAPPENINGText: Yukino Kotake

それは単に街を歩いている時にすれ違っただけかもしれないし、テレビでほんの一瞬みたものかもしれない、初めて一目見たときに妙に気になるもの。中身や成り立ちなんて何も知らないのに気になってしまうもの、それが一目惚れなのだろう。そんなものを感じさせてくれたワビサビの今回のグラフィック。テーマは「FLESH AND BLOOD〜肉体と血」。

札幌を拠点に活動するワビサビが「FLESH AND BLOOD〜肉体と血」をテーマに制作したオリジナルタイプフェイス「ホルモン」を中心に作品展をSOSOで開催中だ。SOSOでは、2005年の「カリボンサイ」展に続き2度目の開催となる。

これまで、「ホルモン」は、DOTMOV 2005での初お披露目後、「TREE OF LIFE」や、コマーシャルワークなどで発表され、2006年NYADCグラフィック部門で「FLESH AND BLOOD」のポスターが銀賞を受賞している。

本展では、グラフィック新作を発表する他、ビームスTとのコラボレーションで制作したオリジナル・Tシャツや、PRINT’EMの出力によるポスター、世界限定300枚のシリアルナンバー入りタイプフェイス・シート、オリジナル壁紙、装丁を手掛けた「札幌ADC年刊」の展示販売などが行われている。また、オープニングパーティでは、腸詰め、ホルモンをメインにしたオードブルの提供や、日本未発表のホルモンペーパーの無料配布などが行われた。

テーマの「肉と血」。それは私たちが日ごろ気持ち悪いと思ってしまうようなものなのかもしれない。ぐにゃぐにゃとした曲線のみで作られた内臓を思わせるグラフィック。内臓?どうして私たちはそれらを気持ち悪いと思ってしまうのだろう?最も身近で自分たちの一部なのに。けれども彼らの今回の「FLESH AND BLOOD」で私たちの中にある“気持ち悪さ”を解消して身近に感じさせてくれたのかもしれない。あの独特な曲線によるかっこいいグラフィックによって。私には単色であることがその曲線たちを更に際立たせ、印象深いものにさせているようにも感じた。

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