ワビサビ展「肉体と血」
HAPPENINGText: Yukino Kotake
サビさんはこう言う『以前は直線的なシャープなものばかり扱ってきたのですが、今までずっと内に秘めていた世間一般に言う “気持ち悪い” ものが好きだ気になるといった自分を思い切って表に出してみたのです。』と。初めは『受け入れられるだろうか?』という迷いも少しあったという。けれども私たちがあまり触れたくないようなものに故意に近づいてみることによって、新たな面白さが発見できて、どんどん次にやってみたいものが浮かんできているようにも見受けられた。あの曲線たちを立体化したいという考えも持っているのだとか。今後もどんどん応用の利く面白いプロジェクトになりそうだ。
グラフィックを見て気がついただろうか?ひとつひとつに彼らの「ワード」がこめられているという事に。それらは「heart」「syndrome」「kiss」「skin」など、どれも人体に関係する、身近な言葉ばかりが集められている。
これらのアルファベットはフォントとして作られていて、それらが組み合わされてでき上がっている。『不思議なことに全部上手く組み合わさるようになっているんですよ。』とサビさん。彼のいうようにどの「ワード」も違和感なく全てのアルファベットが心地いい感じに組み合わされ、絵となっている。それはもしかしたら内臓、肉、血をテーマとした私たちの内臓のような柔軟性のあるぐにゃぐにゃの曲線で作り上げられたせいなのかもしれない。
今回の彼らの「FLESH AND BLOOD」をみてどう感じるだろうか?何か深く考え込んでしまった、もしくは単にかっこいい!と思う?彼らは私たちに深く考えずかっこいい!いい!とただ率直にそう感じて欲しいと言う。グラフィックとはそういうものなのかもしれない。みる者を一瞬にして一目惚れさせる何かそんな要素をもつべきもの。私もそんな彼らのグラフィックの要素に惹かれてしまった一人なのかもしれない。どんどん広がっていく彼らのアイディアを今後も更に期待したい。彼らの持つ不思議な要素のある世界観に。
ワビサビ「FLESH AND BLOOD」展
会期:2006年7月29日(土)〜8月11日(金)
時間:11:00〜21:00
会場:SOSO
住所:札幌市中央区南1西13三誠ビル1F
TEL:011-280-2240
https://www.shift.jp.org/soso/
Text: Yukino Kotake
Photos: Yukino Kotake