姉川たく「HIDDEN CURRICULUM」

HAPPENING

2006年の姉川たく個展「Hidden Curriculum」巡回展は東京を大成功に終え、現在札幌で作品を展示中。この後ニューヨークでの展示も決まっている。古くからの技術と新しいテクノロジーの混合を駆使して姉川たくが作るのは、刺繍とシルクスクリーンの素晴らしい一連作品。現在それらが1つの会場に集められ、訪れる者を楽しませている。絶妙のセレクションを体験しに是非とも訪れて欲しい。

「Hidden Curriculum」のオープニングパーティは、展覧会会場のSOSOカフェにて7月1日の土曜日に行われた。外がまだ明るい時間から人々が集まり、姉川の展示作品を眺めながらドリンクを楽しんでいた。日が落ちた頃が、本当の始まりであった。カフェがたくさんの人で埋まり、スピーカーからは心地よいビートが流れる中、姉川たくが姿を現した。とてもフレンドリーな彼は、常に笑顔を絶やさず、客達とのおしゃべりを楽しんでいた。

姉川が、作品の公開制作に取りかかりはじめる。彼は自宅で制作を行っているメモリーカードを読み込める刺繍ミシンを会場に持ち込んだ。姉川がラップトップで制作したデザインをメモリーカードにコピーし、刺繍ミシンに挿入、そして装置をセットすると、ミシンは自動的に機能し刺繍を行うのだ。ミシンが動いている間は、注意深くミシンを監視し、必要に応じて微調整を加えながらも、自由に他の作品の細かな作業をする。

その夜は一晩中、驚くべき量の刺繍糸、羽、ビーズなどの制作材料が長いテーブルに置かれていた。それらは、彼の制作のためだけではなく、客達のためでもあった。みんながそのテーブルにある材料から何かつくって参加することを勧められ、のちに彼がみんなの前でそれらを彼の作品に加えていったのだ。客達は即座にテーブルの周りに集まった。姉川作品の一部として使われることを切望し、とても真剣にクラフト制作をする。そして彼らの期待は裏切られなかった。姉川は、それら全ての様々な色やスタイルのみんなが制作した作品を、とてもフレキシブルに、時には要求に応えさえしながら、作品に取り込んでいく。それは本当に見ていて楽しかった。

夜がさらに更けるにつれて、このアーティストの制作を一目見ようとにカフェに集まる人が増え、 リラックスした雰囲気の中、ドリンクを片手に楽しんだ。姉川は精力的に制作を続け、その夜の終わりまでに、10作品近くも完成させた。

その夜の全てが、驚くべき作品、心地よい音楽、面白い人達と共に、本当に楽しい体験になった。刺繍はアートフォームとしてではなく、より身近なものとして認識されているものだ。少なくとも現代以前には。しかし姉川は、その観点を変えてゆくのだろうと思う。是非この後SOSOカフェに立ち寄り、作品を身近に見て欲しい。写真を通して見るのも印象的には違いないが、直に見てこそ本当の良さがわかる作品である。

姉川たく個展「hidden curriculum」
会期:2006年7月1日〜7月28日
開場:11:00〜21:00
会場:SOSO
住所:札幌市中央区南1西13三誠ビル1F
TEL:011-280-2240
協力:phil co.,ltd.

Text and photos: Jacqueline Ste-Croix
Translation: Yurie Hatano

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