マーティン・クリード展

HAPPENING


マーティン・クリード展「I Like Things」の最初の作品は展示場に入らずして見ることができる。「Everything is Going to Be Alright(万事うまくいく)」という文字の巨大なネオンライトが、町の中心部であり、おそらく世界的に最も認知されている場所のひとつ、ドゥオーモ広場にある建物アレンガーリオの正面に提げられている。

マーティン・クリードは既に、ロンドンのイーストエンドに観客に解釈の余地を残しつつ、この文字版作品をぶら下げていた。このフレーズは、ここでは皮肉にも50年代イタリアの高度成長期に象徴される、都市の古い学校の楽観主義を連想させる。もっと単純に言うと、この広場に設置された巨大スクリーンに映るFIFAワールドカップを見に毎日やって来る、多くのサッカーファンを安心させているように思われる。

展示作品にはマーティン・クリード作品で最も有名な作品の一つで、2001年ターナー賞を受賞した「作品No.227.Lights Going On and Off(点滅するライト)」もある。それはまさにタイトル通り。広々とした空っぽの展示場が断続的に照らされ、驚くことに総体的には彫刻のような効果をもたらす。メイン会場では、「Small Things」の文字が2つの壁を完全に覆う作品や、リズミカルにバタンと音を立てる真っ白なグランドピアノ、2つの巨大なウィンドファンがある。別の部屋ではカメラの前で吐いている女の子の映像。

ロンドンとシシリア海にある小さなアリクジ島で生活、活動しているイギリス人アーティスト、マーティン・クリードの、最もシンプルなアイデアを用いて、見ごたえがあり、且つ完成した形式を模索しつつ、彼のアートの意味が0になるという考えをもてあそぶ事に的を絞るという意図を、このショーは強固にする。こうすることで、彼はミニマル・アートやコンセプチュアル・アートの遺産から逃れることは出来ず、彼は利口な漫画風の皮肉を使って取り組んでいる。

I Like Things

会期:2006年5月16日〜6月18日
会場:Palazzo dell’Arengario
住所:Piazza del Duomo, Milano

Text and photos: Francesco Tenaglia
Translation: Yuki Furusho

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