フットボール・ザ・パッション展

HAPPENING


ひたすら雨が続く5月20日から6月4日まで、代官山のギャラリー「SPEAK FOR」で、「FOOTBALL THE PASSION」が開催中だ。ニューヨーク発のカルチャーマガジン「BIG MAGAZINE」の第60号の作品を展示したもので、ニューヨーク→パリ→マドリッドときて、東京がフィナーレとなる。

毎号世界中の才能溢れるアートディレクターを起用、ロゴすら毎号違うほど好き放題な「BIG MAGAZINE」のスタイルは、今最も新しいビジュアルに出会える雑誌として注目されている。そしてワールドカップを間近に控える今回のアートディレクターを担当したのが、リル・キムやアフリカ・バンバータのジャケットを手がけるケヴィン・ウォラハン。次第に高まる熱狂とアートの出会いは、どんなビジュアルで僕たちをワクワクさせてくれるのだろう?

会場の真ん中には、もうすぐ歴史的なあの瞬間を刻むだろう「アディダス」のボールが何ともまばゆく置かれていた。その横にウクライナの英雄、アンドリュー・シェフチェンコの凛々しい姿!表紙をめくれば、ファッショナブルな写真やコンセプチュアルなアート作品、ペレ、ジョージ・ベスト、ベッケンバウアーなどなどレジェンドに捧げられた本気のメッセージまで、フットボールの周辺のいろんなパッションが、ぎっしり表現されていた。

エンターテイメントとしてもビジネスとしても、巨大で肥大なフットボールのストラクチャには、道端のストリートと華麗なスターダムをつなぐ日常のシーンと非日常の情景が交錯している。シェフチェンコという偉大なフットボールプレイヤーの何ともフォトジェニックなヒロイズムと、「ビューティフル・ゲーム」と名づけられたアフガニスタンの蒼く透明な湖にボールひとつ浮かぶ光景には、モチーフは違えど圧倒的に美しいものとして、見るものを釘付けにする力強さがあった。

そして、ユニフォームを着てリラックスする少女やトロフィーを掲げる子どもたちの姿といったフットボールを愛する者たちの日常的なシーンも、『あ、この気持ちわかる!』みたいに同じく心を揺さぶる。中野正貴氏が撮った東急屋上のフットボールパークなんかは、ブラジルの海辺の風景とは違う、ネオンと喧騒の只中にある東京らしい情熱が感じられてリアルだった。

会場の入り口にはこう書いてあった。『サッカーこそ地球のリンガ・フランカ(=共通語)だ』。その場にボールひとつ、勝手にゴールマウスを決めて蹴り出せば始まるシンプルなゲームは、いつのまにかまさにカルチャーそのものとなった。テレビはゲームしか写さないけど、その周辺には憧れの眼差しとかワールドワイドなグルーヴ感とか、いろんな楽しみがあることを教えてくれる。

いよいよ4年に一度のスペクタクル・フェスティバルが始まる。後はもう体がウズウズしてしまうような、スーパープレイを待ちわびるだけだ!

FOOTBALL THE PASSION

会期:2006年5月20日〜6月4日
会場:GALLERY SPEAK FOR
住所:東京都渋谷区猿楽町28-2
http://www.abahouse.co.jp/ahi/gallery.html

Text and photos: Yoshihiro Kanematsu

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