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第4回 ベルリン・ビエンナーレ

HAPPENINGText: Yoshito Maeoka


Andro Wekua, Boy O Boy, 2005–2006

通りを出てKWから西に進むと、このアウグスト通りを突き当たった所にファサードの印象的な教会がある。ここには、クリス・マーティンとアンドロ・ウェクアの作品が並ぶ。アンドロ・ウェクアは何処か原始宗教的な匂いすら漂わせている。クリス・マーティンは何も表示しないただ文字が回転するだけの掲示板を展示。これらは何れも死を想起させる作品だった。


Michael Beutler, Yellow Escalator, 2006

KWとは通りを隔てた反対側にある、旧郵便局跡にも展示があった。展示に使われた場所はかつて馬小屋として使われた場所で、簡素ながらも天井の高い空間である。ここでは、パヴェル・アルタマーのサウンドインスタレーション、ジェレミー・デラーによるジプシー楽団のドキュメンタリー映像、そしてミヒャエル・ボイトラーが脆い素材でできた蛍光色の階段を展示していた。


Tino Sehgal, Kiss, 2002

アウグスト通り24/25にバールハウスという前世紀から続く古い劇場がある。少しゆとりの有る前庭のある建物で、1階がレストランになっている。導線通り、レストランとは反対側の入り口から2階に上がると、ティノ・セーガルのパフォーマンスが展開されていた。男女が現代舞踏のエッセンスをちりばめた動きで床を這いずり回る。それはとても緩やかな動きで、ぱっと見た所等身大の人形が幸福に満ちた愛の営みを始めているかの様だった。


Norbert Schwontkowski, 2001-2006

今期のビエンナーレでは、いくつかの一般住居が展示スペースとして開放されていた。中でも印象的だったのは、アウグスト通り18番の3階の展示だった。ここにはブレーメン在住の画家、ノベルト・シュワンコウスキーの作品が飾ってあったのだが、部屋の調度品一つ一つまでもが作品の一部として主張しているかのようだった。実際ここは彼のベルリン滞在時の住まいらしく、なるほどどおりで、そこに住む人の物語を感じ取る事ができた訳だった。


Erik van Lieshout, Rotterdam-Rostock, 2006

ヨーロッパの中では比較的珍しいが、ベルリンでは工事現場は至る所で目撃できる。路上に設置されたコンテナさえも、日常のちょっとしたノイズにしか見えなかったが、ここにも、ベルリン・ビエンナーレを示す例のステッカーが貼ってあった。このコンテナの中にこそ、エリック・ファン・リースハウトのローファイ感あふれる簡易上映場が構築してあり、彼の約15分のドキュメンタリーが鑑賞できた。内容は隣国オランダから自転車でドイツ国内を旅した時のドキュメンタリーで、彼独特のリズム感あふれる編集となっていた。

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