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第2回 レゾリューション/ディソリューション

HAPPENINGText: Yoshito Maeoka

本文とは直接関係ないが、3月末よりベルリン・ビエンナーレが始まる。一つ面白い事に気づいたのだが、このベルリン・ビエンナーレという世界規模の展覧会に合わせて、他にも幾つかの小・中規模、かつクオリティの高い展覧会が企画されている事だった。これらにはあたかものさらに質の高い展示を見せんばかりの気迫と意気込みを感じる。

今回紹介する「レゾリューション/ディソリューション」は、連続企画の2回目のメディアアート展で、第1回目は1月14日から2月12日に開催されており、その期間はまさに、トランスメディアーレ 2006と同時期だった。この展覧会は、NGBKでは過去数回興味深い展覧会を企画した「リアリズムスタジオ」の企画で、今回はそのメンバーでもあるベルリン在住のメディアアーティスト、フリードリケ・アンダースを中心に企画された。各国から気鋭のメディアアーティストの参加は国際経験が豊富な彼女のキャリアによるところが大きいだろうか。


Carl Michael von Hausswolff and Achim Mohne

しかし今から思えば、第一回目の展覧会について特に記録を取らなかった事が悔やまれる。今回はサブタイトルを「ノイズ信号」と題している。一般的なテクノロジーを普段とは違う形で用いた作品が多かったように思う。


Carl Michael von Hausswolff and Achim Mohne

例えば、サウンドアーティストでもあるカール・ミヒャエル・フォン・ハウスヴォルフは、漁船等に積む商用ソナーレーダーを利用して、空間に潜む知覚可能範囲外の音の検出を試みていた。アキム・モーネは、スライド投影機の明かりを用いて、観客の訪れる空間に舞い散る埃に光を当て、これをプロジェクションしていた。誰もが使える道具をアーティスティックな発想で作品へと昇華させている。


Jim Campbell, The Political Protest series, 2005

同じ様な例としては、ジム・キャンベルはニュース映像や新聞、映画といった既存のイメージをスライドフィルムに印刷しそれを絵画的な構成を以て重ねるに事により全く別の暗喩的なイメージを提示している。

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