ジャック・アンリ・ラルティーグ展

HAPPENING


Vera & Arlette, Cannes mai 1927 by J.H. Lartigue © Ministere de la Culture, France/A.A.J.H.L


私たちは現代の写真に夢中だから、昔の写真を概観するのは簡単なことである。私は20世紀前半に始まる、観察的な実生活の像に魅了されている。そして、その過ぎ去りし時代のかすかな光景を私たちに見せてくれる、最も興味深い写真家の一人がジャック・アンリ・ラルティーグ(1894年生まれ)なのである。

今月、アムステルダムの「HUGギャラリー」では、ラルティーグの写真を展示している。本当に一見の価値あり、である。独学で写真家となった彼は、6歳のときに父のカメラを借りて写真を撮ることを始めた。周囲の世界に彼は魅了され、それが写真に捉えられている。そして彼は、「生涯の日記」、彼の家族を記録するもの、子供の頃の体験、車や航空の始まり、さらにはフランスで彼が育った地域の美人として一番良く表されているものを探し始めた。

1915 年に彼はアカデミー・ジュリアンに通い始め、画家のコースを選択し、パリや南フランスのサロンで展示会を開き、ピカソやコクトーの作品のようなものを混ぜ合わせた。それは映画に対する彼の情熱であったのだが、写真家としての仕事を続け、時折り報道機関に写真を売ったり、ブラッサイ、マン・レイ、ドアノーの作品と並んでオルセー・ギャラリーに展示されさえするきっかけになった。


Cap d’Antibes, aout 1932 by J.H. Lartigue © Ministere de la Culture, France/A.A.J.H.L

彼の写真家としての名声が真に広まり始めるのは、69歳のとき、1963 年にニューヨーク現代美術館でラルティーグ回顧展が開かれてからである。彼は作品集を発刊し、そしてパリ装飾美術館で開催されたフランスで初めての彼の回顧展は70年代中頃まで続いた。1986 年にとうとう92歳でニースにて亡くなるまで、ファッション誌のための仕事をし続け、80年代のラルティーグはずっと多忙であった。


Danielle Darrieux, Eden Roc, aout 1941 by J.H. Lartigue © Ministere de la Culture, France/A.A.J.H.L

ラルティーグの作品について私が本当に好きな部分はというと、それは彼の周囲の撮るもの全てにある、彼の広範に渡る観察と、明白で飾り気の無い正直さである。みなさんはこの男が彼自身のため、自身の満足のために写真を撮っているのだ、という印象を受けるだろう。彼の作品の多くはまさに魅惑的で、そのような明快さで撮られている。写真の「古めかしさ」というよりはむしろ撮られたその状況の厳密さが見て取れることだろう。私は、写真は過去の瞬間を捉えていて、私たちは心に封じ込められた特定の時間と場所を見つめることが出来る、と考えると、未だに非常に驚嘆すべきことだと思う。ラルティーグの作品は、私が子供の頃からの写真の山を思い起こさせ、私はどうして人々と場所を記録する必要があるのだろう、という疑問を私に投げかける。そして、どのようにしたら、私たちの個人的な写真は思い出の直接的な源であることを止め、単に作品となり始めるのだろうか?

ぜひラルティーグの展示を見て欲しい。一見の価値ありだ。


Halcyon Days – Jacques Henri Lartigue

企画:Elle Wonen and designer Jacob de Baan
会期:2005年9月17日〜10月22日
会場:Gallery for International Photography
住所:Eerste Tuindwar 16, 1015 RV Amsterdam
TEL:+31 (0)20 489 40 42
info@hughug.info
http://www.hughug.info

Text: Ania Markham from Post Panic
Images courtesy of: Ministere de la Culture, France/A.A.J.H.L with thanks also to Lartigue.org
Translation: Yuhei Kikuchi

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