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稲葉英樹「NEWLINE2」展

HAPPENING

リラックス」101号の表紙として掲載されていた、iPodの広告と、「SHIFT」の表紙で使用された「バースト・ヘルベチカ」のタイプフェイス。それらが、私が初めて目にした稲葉英樹の作品だった。おそらく制作に膨大な時間を費やしたであろう、激しさと美しさの両方を持つ2つの作品。その彼がソーソー・カフェでのオープニングパーティでパフォーマンスをすると知り、私は興奮せずにはいられなかった。


2005年9月16日、金曜日の朝。ソーソー・カフェに彼の作品が到着した。「N」、「L」、そして「2」。到着したポスターには、それらの文字が描かれていた。それらは、稲葉氏とSHIFTのコラボレーションである展覧会「NEWLINE 2」の為に作られた作品だ。稲葉氏は以前に「NEWLINE」という展覧会を開催したことがあり、ソーソー・カフェでの展覧会はこれが2度目となる。私は、到着したこれらのポスターを見た時、彼の今までの作品と違う印象を受けた。悪い意味ではなく。ポスターの文字はとても単純化されて、分かりやすいものになっていたのだ。どのアルファベットかが一目でわかる。わかりにくい場合にも、それは抽象的に良く表現されているということだ。私は、早く今夜のオープニングイベントをみたくてたまらなくなった。

午後6時、ソーソー・カフェでは稲葉氏のイベントに向けての準備が整った。6時半になり、いよいよ稲葉氏が到着した。彼はとてもスラリとしていてスタイルが良く、好印象な男性だった。少ししてから、彼は持参したパワーブックとイラストレーターを使って作業を始めた。彼は準備の合間に、ビールを飲んだり、周りの人に話しかけたり。とてもリラックスしていて、格好良かった。

イベントが幕を開け、稲葉氏のパフォーマンスが始まった。最初、プロジェクターで投射された彼の作品が何の形を表しているのか分からなかった。しかしだんだん、それらはアルファベットであることが分かってきた。それらの文字は自ら意思を持って動き、次の文字へと変わっていっているように見えた。彼は形、色、ともに自由時自在に文字を操った。線、円、四角のように文字を形作り、そしてまた、単純な文字へと戻していった。文字はそれぞれに彼らしさがあった。線的なもの、幾何学的なもの、基本的な形をしたもの。通してみてみると、文字に統一性はなかったが、すべてがユニークで、美しかった。私を含むすべての観衆は、彼のパフォーマンスを楽しんだ。1つの文字を作り終わるたびに、それはカフェの2階にあるSHIFTのオフィスからプリントアウトされていった。時が進むにつれ、会場はプリントアウトされた彼の作品で埋め尽くされていき、稲葉氏の作品で満たされた空間となった。

オープニングイベントが終わるころに、彼の名前である、HIDEKIのアルファベットが登場した(偶然にもそれは会場の客が文字を組み合わせているうちに出来上がったものであるが)。会場の何人かの人々は彼がプリントアウトした作品を、記念に家に持って帰ったであろう。ショーの後、私は稲葉氏に話しかけると、彼は、ショーのスケッチを私に見せてくれた。彼はそれを、東京から札幌に来る途中の飛行機の中で作ったと言う。彼は、グラフィックデザインの学校のようなものには行ったことがないと話してくれた。私は、そのことは良い形で彼の作品に現れていると思う。彼の作品は、グラフィックデザイン学校の生徒が作るより、素直で荒削りだ。彼はまた、クライアントのために作る作品と、自分の自由に作る作品とは違うということを話してくれた。「クライアントのいる仕事は、彼らの意見をよく聞いて、細かい部分にも費やさなければいけないからね。」

楽しく、リラックスムードの中、彼のオープニングイベントは、成功に終わった。

稲葉英樹/NEWLINE 2 札幌展
会期:2005年9月16日(金)〜30日(金)
会場:SOSO CAFE (ソーソー・カフェ)
住所:札幌市中央区南1西13 三誠ビル1F
TEL:011-280-2240
営業時間:11:00〜21:00
入場:無料(飲食には別途料金がかかります)
協賛:BEAMS T, PRINT’EM
協力:Web Designing

Text and Photos: Tim Engel
Translation: Yu Murooka

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