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稲葉英樹「NEWLINE2」展

HAPPENINGText: Tim Engel

文字はそれぞれに彼らしさがあった。線的なもの、幾何学的なもの、基本的な形をしたもの。通してみてみると、文字に統一性はなかったが、全てがユニークで、美しかった。私を含む全ての観衆は、彼のパフォーマンスを楽しんだ。一つの文字を作り終わるたびに、それはカフェの2階にあるSHIFTのオフィスからプリントアウトされていった。時が進むにつれ、会場はプリントアウトされた彼の作品で埋め尽くされていき、稲葉氏の作品で満たされた空間となった。

オープニングイベントが終わるころに、彼の名前である、HIDEKIのアルファベットが登場した(偶然にもそれは会場の客が文字を組み合わせているうちにでき上がったものであるが)。会場の何人かの人々は彼がプリントアウトした作品を、記念に家に持って帰ったであろう。ショーの後、私は稲葉氏に話しかけると、彼は、ショーのスケッチを私に見せてくれた。彼はそれを、東京から札幌に来る途中の飛行機の中で作ったと言う。

彼は、グラフィックデザインの学校のようなものには行ったことがないと話してくれた。私は、そのことは良い形で彼の作品に現れていると思う。彼の作品は、グラフィックデザイン学校の生徒が作るより、素直で荒削りだ。彼はまた、クライアントのために作る作品と、自分の自由に作る作品とは違うということを話してくれた。『クライアントのいる仕事は、彼らの意見をよく聞いて、細かい部分にも費やさなければいけないからね。』

楽しく、リラックスムードの中、彼のオープニングイベントは、成功に終わった。

稲葉英樹/NEWLINE 2 札幌展
会期:2005年9月16日(金)〜30日(金)
時間:11:00〜21:00
会場:SOSO CAFE(ソーソー・カフェ)
住所:札幌市中央区南1西13 三誠ビル1F
TEL:011-280-2240
入場無料(飲食には別途料金がかかります)
協賛:BEAMS T, PRINT’EM
協力:Web Designing
https://www.shift.jp.org/soso/

Text: Tim Engel
Translation: Yu Murooka
Photos: Tim Engel

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