エクスペリメンタ・デザイン 2005

HAPPENINGText: Valdemar Lamego

1998年、エクスペリメンタ・デザインは、工業デザイナーのマルコ・ソーサ・サントスと、デザイナーでカルチャーマネージャーのグラ・モウラ・ゲジスによって設立された。リスボンにて、国際的な文化やデザインのプラットフォームをつくるというのが、彼らの主な目的だった。経済、美学、テクノロジー、社会などといった明確な分野の分析を通した、分野としてのデザイン、方法論としてのデザインは、現代社会のニーズに充分に答えることができる。

1999年の初回からエクスペリメンタ・デザイン(EXD)は、国際的議論をあおりながら、リスボンにダイナミックなプラットフォームを築き上げてきた。EXDは、クリエイティブアーティストやデザイナー、学者など、文化やデザインが全てのレベルを向上させる重要な鍵であると考える人々の間で、触媒の役割を果たしている。

10月30日までリスボンは、「メディアは実体である」というテーマにおかれた様々なイベントプログラムの嵐に見舞われることだろう。このテーマは、時に事実がそのメッセージよりも疎かになったり、創る者と受ける者の相互関係が実際の製品になるコミュニケーションメディアや対象に向けられている。


Open Talks, Jonathan Barnbrook

デザインの核心とは何だろうか?グラフィック・デザインは、クライアントのコミュニケーションの問題を解決する機能をもったアートとして適用されている。しかしそれ以上のものがある。

この21世紀に創られたビジュアル言語は、我々の文化の一部になり、生活に刻み込まれてきた。今、その国の文化を知る最適の方法はデザインを通すことであるが、50年前の場合、ペインティングを探さなければ文化を知ることはできなかった。デザイン作品は現代の文化価値である。マックス・ブルインスマは、『デザイナーは触媒であり、文化表現としてのコミュニケーション発展させる要素を “料理” する化学者のようなものだ』と言う。

グラフィック・デザインに限った展覧会について重要なのは、ビジュアル言語が我々のコミュニケーション文化に使われる方法についてのビジュアルエッセイなのだということ。もっと深いレベルでは、見る者に伝えたがっていること、そして究極的には、そのメッセージや環境や主張に見るものを引き込みたがっていることである。

ジョナサン・バーンブルック(イギリス)は、『我々はデザイナーとしてそれぞれ異なる姿勢を持つ必要があり、自分自身に正直に、そして正しいと思うことをするべきだと述べた。また彼は、それらを達成するためには、デザイナーとしての前に、この世界の住民として物事をみることから始めなければならない』と言う。

住民として、デザイナーとして、我々にはコミュニケーションをする力がある。それを通じて世界を変えることができる。エリック・アディガード(オランダ)はそれに賛同し、『デザイナーは社会価値をもつデザインを作り出す事で教育者にもなれる』と加えた。

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