「バックジャンプス・イシュー #2」展

HAPPENINGText: Yoshito Maeoka

とある最新の犯罪研究によれば、落書きが多かったり、物が壊されたままになっているような場所では、犯罪が起こりやすい。裏を返せば、落書き/破壊行為が容易に行われない様その場所が管理されていることを示すことにより、犯罪は減るらしい。

そのような理論を背景に、ストリートアートの広がりについて思案してみると、なるほどどうして日本ではストリートアートが盛んではないのか、ということの理由のうちの一つをかいま見た様な気もしてきて興味深い。

今回紹介する「バックジャンプス — ザ・ライブ・イシュー#2」は、2年前の成功を受け再び企画されたストリートアートの現在を伝える展覧会である。ベルリンはもちろんの事、ニューヨーク、サンパウロ、ストックホルム、コペンハーゲンをはじめ世界各国より20人以上ものストリートを舞台としたアーティスト達を招待し、クンストラウム・クロイツベルグ/ベタニエンを中心会場とし催された。

その中のいくつかアーティストと展示作品を紹介しよう。


Nug & Pike (Stockholm)

ナグ&パイク(ストックホルム):壁にスプレーで線を書き続け、走り続けるパフォーマンスをビデオに収め、さらにそのパフォーマンスの跡をインスタレーションとして残した。


Downey & Darius Jones (New York)

ダウニー&ダリウス・ジョーンズ(ニューヨーク):町中にウィットあふれるシグナルやサイン、街灯などを模造しこっそり設置、それらをドキュメンタリーとして展示した。

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