第52回 シドニー映画祭

HAPPENINGText: River Yin

シドニー映画祭が帰ってきた!6月10日から25日まで開催されていたシドニー映画祭では、最新の長編、ドキュメンタリー、ショートフィルムを含む170作品が、延べ39カ国から出品された。

ロンドンからは、ワールド・プレミア・デジタルフィルムフェスティバルとして名高い「ワンドットゼロ」が「Wow+Flutter」を伴ってシドニーに。「Wow+Flutter」は動画グラフィックやアニメーション、完成度の高いデジタル作品、前衛的な短編作品といった新しい創造表現の為のパイオニア的プロジェクトである。ワンドットゼロはデジタル技術による新しい映画を製作し展示するアイディア実験所として9年前に立ち上げられた。イラストレーション、グラフィックデザイン、アニメーションのバックグラウンドをもった従来とは異なったフィルムメーカーが動画製作に参入し始め、アイディアとパソコンがあれば誰でも映画制作ができるようになった。

6月17日の夜。最新の小規模でくつろげる雰囲気のシドニーオペラハウス内ザ・スタジオでの「Wow+Flatter」が上映された。主要作品の中の一つが、ステューディオもしくは、グラント・オーチャードとして知られているアニメーターによって手がけられた、シンプルだが強烈に印象に残るアニメーション「パーク・フットボール」。オーチャードはとても風変わりなキャラクターデザインで評判になった人物である。

この短編作品は元々、アフター・エフェクツのために製作されたものだが、フェスティバルの成功を祝うミニ映画へと再編された。ドットで形作られた素敵なキャラクターは、最小画素のアニメーションで表現されている。シンプルなグラフィックスタイルで物語りは進められ、本物の人間さながらのキャラクターの感情表現は観客を笑わせ続けた。

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