太公良

PEOPLE

今月のカバーを手掛けたのは、新矢千里とのコラボレーションなどでシフトではお馴染みのビジュアラー、太公良(タコラふとりきみよし)。絵本「アンデルセン」(ゲシュタルテン出版/ドイツ)へのビジュアル提供、CHILLICHILLYアーティストコレクション(香港) グラスシリーズへの参加など世界へ活動の幅を広げている太公良にお話を伺った。


まずはじめに、自己紹介をお願いします。

はじめまして! 太公良(タコラふとりきみよし)。ビジュアラー(ビジュアル・クリエイター)をやっています。

出身は港街・神戸で、京都市立芸術大学大学院を卒業しました。デザイン〜イラストレーションという大量消費社会で、生活自身を彩るための生産物に、新しい命を吹き込む事が一生やりたい事です。卒業後東京に来てからは、フリーランスで日々精進しながらポップなビジュアルを作っています。同時に最近では、国内海外問わず展覧会にも多数開催/参加するようにしていて、その結果、アジアやヨーロッパなど海外の仕事もやっています。
SHIFT関連では札幌ソーソーカフェにて、ライブアクトで作品を発表しています。

仕事ととしては、コムデギャルソンオムから中国ハイカルチャー誌「VISION」まで幅広い分野で、やっています。
皆さんには、アジア的カルチャーバックグラウンドから産み出す独特な有機的且つ漫画的エレメントで、リピートされるモチーフが注目されているみたいです。

座右の銘は「キャッチィー命♡♥Catchy is everything♡♥」。
みなさんどうぞよろしくお願いします。


ANDERSEN (Die Gerstalten Verlag, GERMANY) 2004

最近の活動について教えてください。

初作品集「CHEAP POP」(pocko editions/イギリス) 出版を筆頭に、海外で作品群がアートブックや雑誌等に取りあげられています。また、アジアのファッションモールやイベントなどのために作品を制作しました。

最新のクライアントワークは、絵本「アンデルセン」(ゲシュタルテン出版/ドイツ)へのビジュアル提供。IFVA(Honkong Art Center/香港) へのTシャツ用ビジュアル提供。CHILLICHILLYアーティストコレクション(香港) グラスシリーズに参加。PARCOの2005母の日父の日キャンペーンポスターへのビジュアル提供。


Sony VAIO 5 Anniversary Book (Allrightsreseved, Hong Kong) 2005

クライアントワークや展覧会の開催など幅広く活躍されていますが、それぞれの仕事の違いはありますか?

違いはありませんね。僕にとって毎回作る上でのテンションや気持ちは同じです。クライアントワークだとお金が発生しますし、そのぶん制約に沿わないといけない部分も多くあります。でも僕の現状はどんな事でも100%の自由はない上で制作することばかりなので、その事はあまり気に止めていません。たぶん100%の自由を手に入れて制作ができる状況ならば、その時点で何も作りたくなくなる気もします。
今はまだ、僕の周りにある現状に自分がやるべきモノが存在するので、少しでも無駄にならないモノ、誰かに意味を投げかけるモノを作る努力と実現するための話し合いだけは怠りたくないです。


Don’tMind Exhibition (SOSO Cafe, Sapporo) 2003

2003年夏にソ−ソーでも行われた1ヶ月に渡る「丼米 ドンマイ Don’tMind」展後から活動や作品に何か変化はありましたか?

生きる事に必死になりました。なんとなく流れていた東京という大都会での生活が、現実的に思えたり、テンションと思いが会う友達や知り合いに触れられてきています。それも世界を通じてというのが加わったのは一番大きい事です。
香港のSKやマン・チャン・リー、イギリスのカム・タン、アメリカのサイマン・チョウなど、世界中で素敵な思いの共有できる作り手と話しができるのも凄く刺激的です。
あと30代になってもっと作る事に対して込めたい気持ちが大きくなりました。なんとなく世の中に対して役に立てる事を、できるだけ実直にやりたくなった感じです。


SHIFT Cover (grAphic tAkorA + Chisato Shinya) 2004

2004年DOTMOVの「Peeping Navi」など、新矢千里さんとのコラボレーションについて教えて下さい。

新矢さんが僕をえらくおもしろがってくれて、自身のイベントに呼んでいただいた結果がああいう形になりました。僕のどこがおもしろかったのかは僕にはわからないんですが、おもしろかったそうです。

ご自身の活躍するレーベルである「grAphic tAkorA」と「CHEAP POP」について教えて下さい。

「grAphic tAkorA」はポップビジュアルを制作する上で名乗っているレーベル名です。3Aを目指して自分の思う最上のポップビジュアルを制作している事を意味しています。
「CHEAP POP」はデザインをする上で名乗っているレーベル名です。自分にとってデザインは、キャッチーでポップであれば素敵な落とし所が見つけられると思っています。それを実践しているレーベルです。大量消費社会のモノなので、安くて簡単に思われがちなポップなデザインを、ちゃんと思いのあるビジュアルと視点で作り続けたい気持ちで、ちょっと皮肉って「CHEAP POP」と名乗ってます。

自身の名前は出す場所がある場合は出しているんですが、作品につけるコピーライトには自分のレーベル名を付けています。誰だかわからない、どこの国の人かも読めない感じを表現したかったんです。

僕にとってビジュアルは、世界共通語になり得ると本気で思っているので、見てもらえる国を日本に限定している気もありませんし、そういう意味では、海外からも同じ目線で反応が得れるのは嬉しい事だと思っています。
あと変名で作品を発表するDJになんとなく憧れています。TPOによって身につける名前を洋服みたい選ぶという遊び心にです。

では、太さんにとって、チープポップとは何ですか?

人が幸せだね。って思ってもらえるポジティブなイメージ。です。ポップな色味や形のパワーに自分自身がとても助けられているので、そういうモノを作りたいと思っています。
それが僕の人生の糧になるような気がしているので努力の毎日です。

今回のカバーデザインのコンセプトを教えてください。

世界の国へとコンニチハ!
日本で今世界と繋がる熱いモノって環境を考えた万博/愛知博だとおもうんですよ。だから僕なりの環境への思いをアニメーションにしてみました。内容は輪廻転生です。対抗馬は、モリゾーとキッコロです。
音はニッポニアエレクトロニカのハマサトくんに、テクカルサポートは「in this world」のカワサキさんにやってもらいました。それぞれの感覚が素敵なミックスを奏でたと思います。そういう思いも輪廻転生していたかもしれません。

今後の予定やチャレンジしてみたいことは何ですか?

主に三つあります。

一つ目は、生活の中に溶け込むモノほど一番長く人に影響を与える事ができると思うので、そういうものに自分のポップイメージを使いたいです。ファブリックや家具などが良い例かもしれません。

二つ目は、教育はとても重要なモノだと最近よく思うので、子供達に対して何かをやってみたいです。オモチャやテレビ番組のビジュアルなどが例として考えられます。

三つ目は、違う考えや生活スタイルの人と会う事が好きなので、海外の人達とコラボレーションで仕事や展覧会参加の機会を得てみたいです。最近は近くの国であるアジアの人達と何かをしたいという思いが強いので、そういう事に興味のある企業の方は是非声をかけて頂きたいです。

最近、急激に政治的な理由でいろいろアジア間が注目されている事もあるので、自分の生活の目線からどういう事が相互理解でできるのかって事も知りたいところです。そういう意味では何かを作りあって考えを知るっていうのは、
こういう生き方を選択した僕にとっては一番良い方法のような気がします。
ぼんやりですが、そういう事が楽しい事に思えるので、自分自身から広がる交流のきっかけになればと思っています。

最後に、読者のみなさんへメッセージをお願いします。

まずはこのインタビューを読んでくれて有難うございます。
みなさんの興味の広がりが、僕達が活躍できる場所の広がりです。国や人種や世代や考えを超えて、起こりうるすべてのキラキラした想像力に期待しています。本気で想像する事を楽しんで下さい。

あと個人的な事ですが、もし僕の作品を見かけてイイ気分になったら、教えて下さい。そういう気持ちが僕もイイ気分にさせてくれます。そしてまたみなさんをもっとイイ気分にさせれるものを作る事ができるような気がします。

太公良
info@graphictakora.com
http://www.graphictakora.com

Text: Yurie Hatano

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