ヤウナ・ミュジカ 2005

HAPPENING


“ベジタブル・ミュージック”と“マトリックス”のようなデジタルな世界は、2つの対極的な世界—ナチュラルでオーガニックな世界と人工的なエレクトロニックな世界—を融合させた「ヤウナ・ミュジカ2005フェスティバル」のプログラムを象徴するものである。メインコンサートはコンテンポラリーアートセンターで開催され、残りはビルニウスの他の場所で行われた。

過去4年に渡って、このフェスティバルは、エレクトロニック音楽祭として、エレクトロニック音楽のクリエーター達を紹介してきた。しかし今年は、オーガナイザーたちは、すべてのデジタル音楽の根底—生活形態や自然、そしてもちろん創造したり操作したりするときに、すべてのソフトウェアとハードウェアをコントロールする人間そのもの—についてあらためて考えてみたくなったのだ。結局、エレクトロニック音楽が野菜でつくられた楽器によって演奏されることは不可能だとは、いったい誰が言ったのだろうか?

これは決してレトリック的な質問ではない、というのは、オーストリア出身のファッショナブルでエコロジカルな“ベジタブル・オーケストラ”が、フェスティバルの最初のメインのコンサートで、100パーセント野菜で造られた楽器で演奏とパフォーマンスをしたからだ。キャロットリムバスや、トマトドラムや、他の“楽器”は観客を大いに沸かせた。目ではそれらを疑ったが、耳では確かに演奏を確認した。そして観客に対しては、演奏前にベジタブルスープが振舞われた。

他のゲストも負けず劣らず印象的だった。2日目の夜には、アルヴァ・ノトとしても知られるドイツ出身のカールステン・ニコライの作品が披露された。冷たく具象的な音と効果的な映像はニコライのデジタルな世界そのものだった。

フランス人のeRikmは、もともとロックのギタリストとしてキャリアを積んでいたが、今では“スナフ・ミックス”という、彼の中でも特に評価の高いサウンドプロジェクトをステージで展開するミックス・マスターとして認知されている。同じコンサートの中で、オランダ人のアーティストはアン・ウェルマーの曲を、オリジナルな生の自然音と映像で表現をした。

フェスティバルの最後のコンサートは、日本のエレクトロニック音楽の教祖である池田亮司の最新プロジェクトの「C4I」だった。印象的な映像は可塑性があって、自然と文明のユニークな統合体とも思えた。また、彼は「(シアターのための)マトリックス」というオーディオビジュアル作品も披露した。

2つのメインフェスティバルの夜にはリトアニアの音楽が演奏された。ひとつは、ドナタス・プルセビシス、ラムナス・モティェカイティス、マリウス・バラナスカスなど、そしてリトアニアに在住イタリア人のルカ・パヴァンという5人の異なるローカルな作家による最新の曲の演奏だった。エレクトロニック音楽は、ギターやフルートやドラム、そして声など、多様な伝統的な楽器によってミックスされた。

もうひとつは、アンタナ・ヤセンカとビタタス・ジャーマナビシャスらがマルチメディアの可能性を強調した演奏をした。

フェスティバルは、ナイトクラブのあるエリアまで派生した。ある夜には、極めて実験的なプログラム展開を誇るイントロというクラブで、アートラス・バンステイナとアンタス・キュシンスカによるプロジェクト「ミックスザミックスザミックス」が行われた。12人の若手作曲家やDJやアーティストを招いて、彼らはそれぞれアンタスの「ループ・カタログ」という曲を解釈し、エディットし、ミックスした。それらは喧しいものではあったが、十分に楽しめるものでもあった。

JAUNA MUZIKA 2005
会期:2005年4月17〜23日
会場:Contemporary Art Centre
住所:Vokieciu st. 2, Vilnius, Lithuania
http://www.mic.lt

Text: Emanuelis Ryklys from RUT RUT
Translation: Ayako Yamamoto

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