サイドウォーク・ギャラリー

HAPPENING


ストリートでのアート表現は、今やどこにでもある。ニューヨークのような街であれば、グラフィティ(多くの人が“アート”として見る)や広告(ほとんどの人は“アート”として見ない)、あるいは単なる看板などは、道を歩いていれば必ず目に入る。 それは建物の壁だったり、建設途中の足場だったり、表現したい人達は、何かを書いたり、描いたり、広告をするために“面”を様々に利用し、街のあらゆる表面はビジュアルで埋め尽くされている。

このあいだ、ヘルズキッチンの8thアベニューを歩いていた時、ある物に目を奪われた。ニューヨークの隣町であるその町は、ドラッグが流行していた70年代〜80年代の暗い雰囲気が未だに存在しているところで、アートを見ることのできる場所という感じではない。そのヘルズキッチンの、ある建設途中の建物の足場に、グラフィティのような看板があった。「SIDEWALK GALLERY」(歩道のギャラリー)と。

最初、その看板はこのブロックのどこかにある実際のギャラリーのものだと思ったのだが、すぐにそんなギャラリーが周辺にないことに気付いた。そう、その歩道自体がギャラリーだったのだ。足場自体が作品を掲示する壁となり、“JR”というマークの入った写真が飾られていた。

でも、このストリートギャラリーが何か新しいアイデアであるというわけではない。週末になれば、生活の苦しいアーティストなど、ニューヨークの中心部では、道ばたで作品を売る人達をたくさん見かける。

しかし、こうして明らかにこのストリートに飾られているのはアート作品で、ここはギャラリーなのだ、と宣言している場所に出会ったのは初めてだった。

そのサイドウォーク・ギャラリーで展示されたいた写真は、JRという写真家のもので、ヨーロッパの主要都市などの道ばたにあるフェンス、掲示板、いろいろな壁で写真をポスターのように展示するという活動をしている。

この特殊な展覧会中、「KOURTRAJME」という若い映画監督達がこのストリートで映画の撮影をしている。

Text and Photos: Rei Inamoto from Tronic Studio
Translation: Naoko Fukushi

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