ロンドン・アート・フェア 2005

HAPPENINGText: Sari Uchida


The Scapegoat, Terry Duffy and Bob Goldsborough. Courtesy of Terry Duffy

毎年初旬に最先端を行くギャラリーを一堂に集めて行われる「ロンドン・アートフェア」。今年は、93のギャラリーが集まり、現代アートを中心に限定版プリントから絵画、彫刻、写真そしてインスタレーションにいたるまで、下は250ポンド(約47,500円)から上は5万ポンド(約950万円)まで幅広い作品を提供した。今年は特に家庭で楽しむアート作品を買い求める人たちが急増していることに注目し、新しい試み「アートハウス」「アートヘルプ」を導入した。

前宣伝から楽しみにしていたのが「アートハウス」。260平米の空間を長方形の居間+隣り合う小さな二つの部屋に見たて、その中を全てアート作品で埋め尽くした。我が家に現代アートなんて..と尻込みがちな人に、実際アート作品を部屋の中に置いたらこんな風にインテリアを引き立てるよ、と見せるのが狙い。アートを買う人はもちろん、デザイン学生も注目したこの空間のデザインを担当したタラ・バ−ナードは「アートは白い壁に飾られるべし」という従来の概念を覆すべく壁の色をバーガンディ(赤ワイン)色とオレンジ色で塗り分けた。提携したイタリアの家具会社(B&B Italia)の家具を配置し、エリザベス女王の横顔がモチーフになったクッション、イソギンチャクのような質感のオレンジ色の照明、壁にはキャデラックを描いた絵画を並べた。そんなファンキーな空間を見回してすぐに自分の居間を連想した人は少数派かも知れないが、アート作品をそれだけの個体としてではなく自室のインテリアに合うオブジェとして見るのは参考になったのでは。


Manhole, Paul Gallagher, 2003. Courtesy of Terry Duffy

会場の別の一角には「ART HELP」と書いた空間が初登場した。いままでアートを買ったことのない人でもここにくれば、現代アート協会長を筆頭に4人のパーソナル・ショッパーが作品の額装から保険、運搬方法等全て相談に乗ってくれる。実際会期終了後の情報では、彼らのアドバイスを元に多くの人たちが作品購入を決意したという。

一時期の投資熱が見られなくなった現代アート界では主催者も客を引込むために知恵を絞ったという印象を受けた。アートを買い求めるのは年齢も高く裕福な人たちの道楽という見方が依然としてあるなかで、「アートハウス」の試みは最近台頭している小金持ちでファンキーな感覚を持つ若い世代の購入意欲を大いに刺激したのではないだろうか。

London Art Fair 2005
会期:2005年1月14日〜18日
会場:ビジネス・デザイン・センター
住所:52 Upper Street, Islington, London N1 0QH
TEL:+44 (0)20 7359 3535
http://www.londonartfair.co.uk

Text: Sari Uchida
Photos: Morley van Sternberg

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