ライトニング・ボルト

PEOPLE


アメリカ、ロードアイランド州からやって来た、2人組バンド「ライトニング・ボルト」がミラノのCOXソーシャル・センターで、衝撃的なライブを見せた。このライブを見られて本当に良かった。

しかし、他の国ではなかなかこのようなライブをソーシャル・センターでは行うなんてことはできないだろう。イタリアは、共産主義者、無政府主義者、パンク、ハッカー、レイブに生きる人種が廃業になった工場、使われていない校舎、教会などを占拠し、劇場やコンサートホール、アートギャラリーに改造するという動きがある。そのようなスクワットは至るところに存在し、このソーシャル・センターも70年代中頃から、今世紀で最も活発な文化施設となっている。

このライブは、イタリアで今存在する中で最も優れたバンド「ZU」が主宰するフェスティバル「ZUFEST」の2日目に行われたものだ。彼らも、マット・ガスタフソンの逆なでるような自由なサックスと共演した素晴らしいステージを見せたが、「ライトニング・ボルト」が2曲目にさしかかる頃には、雰囲気はもう完全に“ライトニング・ボルトの夜”になっていた。

彼らはステージで演奏せずに、フロアにすべてのセッティングをし、彼らの前に演奏しているバンドの最後のフィードバックが切れないうちに演奏を始め、音のスチームローラーを始動させることで有名で、歯に振動がズシズシ伝ってくる3800ワットのベースアンプと共に、まるで舞台は聴覚に核爆弾が落とされたかのような状態になる。実際、頭を肘打ちされずには、この写真は撮れなかったというくらいの大混乱状態で、観客は狂乱状態に陥っていた。

こんなに激しく観客のパワーを解き放つライブはめったに見られないし、耳栓をしてライブに行くこともこれまでそうそうなかった。容赦ない彼らのスピードとビートからは、初期のアシッドハウスを思い出させる、決まったパターンがもともとあるようにも聞こえるが、毒のある耳障りなキックバックと、自分が原子炉のど真ん中に立っているかのような錯覚さえ起きる、雷のようなフィードバックで、彼らはさらに勢いを増していく。こんなパワーのあるライブはこれまで経験したことがない。

ベースのブライアン・ギブソンは、信じ難いほど速いリフを、耳が聞こえなくなりそうな悲鳴なような音で、分厚いノイズの壁に凝縮されたフィードバックと共にかき鳴らし、いわゆるメタルサウンドと呼ばれるプレイをし、一方、ドラムのブライアン・チッペンデールは、ひどく破壊的で、しかし技術的にしっかりとした、正確なリズムを刻む。

私は友人のトムとはよく気が合い、いろんな感想が一致するのだが、この日も例外ではなかった。アシッド・マザーズ・テンプルとブルームで行われた、ルーエンズ・ニュー・ジャパニーズ・ミュージック・フェスティバル以来の、今年のベストライブだった。容赦ない音の暴力は、狂気ともいえるボリュームで観客を襲う。そんな中、唯一ほっとできるのは、ベースソロの際にドラムのボリュームを少し落とすほんの一瞬。ソロが終わるとまたクライマックスに向かって、ヒートアップしていく。ベースのディストーションはかなり激しく、もはや楽器というよりは武器のようだ。アドレナリンが走り、鼓動は高まっていく。

このライブは尋常なものではないが、この街のクリエイティブリソースはファッションしかない、というようなつまらない固定観念を思いきり打ち抜く必要がここにはある。背後にアンプを高く積み上げ、「ライトニング・ボルト」は、私達が長い間待ち望んでいた深い惨害を残していった。


LIGHTNING BOLT LIVE

日時:2004年10月10日
会場:COX
http://www.laserbeast.com

Text and photos: Roberto Bagatti from Bacteria
Translation: Naoko Fukushi

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