コンタクト・ヨーロッパ 2004

HAPPENING

今回で3回目の開催となる、VJが主役のイベント「コンタクト・ヨーロッパ」がベルリンで開催された。会場は、60年代に建てられ、かつては国外の高貴なお役人や政府のエリートらが夜の社交場だったという印象的な建物「カフェ・モスクワ」。今年の「コンタクト・ヨーロッパ」は、170以上のアーティストが参加し、VJワークショップ、ディスカッション、パフォーマンスが3日間にわたって行われた。


迷宮のようなスペースを歩いていると、ファンタジーの世界へトリップしたような感じさえする。どこの壁も映像が揺らめいており、あらゆる感覚がそこへ溶け込んでいく。


The ‘Live’ room

ここでは「ファンクストラング」、べルリンで活動するバンド「リッチ・アンド・クール」、そして「コールドカット」のDJ マット・ブラックによるDJパフォーマンスとライブが耳を楽しませてくれた。


Workshop Raum

ワークショップは、機材とエフェクト用のハードウェアがびっしりの部屋で3日間とも行われた。ここでは熱心なVJ達が最新のVJソフトウェアに触れることができ、またソフトウェアの開発者などにとってはソフトやハードの最新情報をチェックできる場でもあった。


Girlz Klub

フェスティバル初日、木曜夜のプログラムで特に素晴らしかったのは、ベルリンを拠点とする「フローラ・アンド・ファウナ」、チェコスロバキアのVJチーム「CLAD」、そしてファンキーなテクノ/ハウスを中心としたDJで、迫力のあるボーカル・ライブを披露した、MC グループ「GIRLZ KLUB」。


Mixing it up in the Foyer Bar

2日目の金曜日は、前日よりも来場者が増え、「スーパー・ポジショナーズ」、ドイツでとても有名なデザイナー「PFADFINDEREI」による興味深いステージ、そしてVJチーム「トリプル・キャノピー」とダイナミックなテクノ/ファンク・デュオ「ファンク・ストラング」が組んだパフォーマンスは、人で埋めつくされた会場をわかせた。


Rich and Cool

フェスティバル最終日の夜は、ベルリンの半分が「カフェ・モスクワ」で盛り上がった。雰囲気は完璧なパーティ・モードで、午前6時に会場のドアが閉じられるまで一向に盛り上がりがスローダウンすることはなかった。印象的だったパフォーマンスは、テンポよく立続けに写真をミックスしたミュンヘンからの「VJ フューチャー・フォト」、「VJ エニワン」、そして「リッチ・アンド・クール」によるライブ・ボーカルとキーボード、ギターを使った“ディスコポップ”なライブミュージック・パフォーマンスだ。


Chilling out in ‘Salon Moskau’

2階のミニマルなスペース「サロン・モスクワ」は、ゆったりできるチルアウト・スペースになっていた。たくさんのプロジェクターは、“ジャム”れるように設置されており、グラフィックを仕込んだラップトップを抱えた人達は自らのビジュアルをその場で映すことができた。日中は、たくさんのフォーラムが開かれ、VJとして活躍するアーティストが、コンセプトのプレゼンテーションや、ライブ・ビジュルやメディアの未来の可能性についてのディスカッションが行われた。


The centre courtyard

VJカルチャーは、90年代初期のクラブカルチャーから生まれた。粗造りな3Dのドーナツ型の物体がぐるぐる回っていたり、蛍光色を使ったサイケデリックなパターンなどは、その当時の人達の目に焼き付いてる典型的なイメージだろう。進化したコンピューター・テクノロジーや、使いやすいソフトウェアを活用できる今、ビジュアル・アーティストにとっては、このVJというメディアの可能性をさらに広げることのできる時代になった。私の印象としては、まだVJにはコンセプトがしっかりとした作品というのが少ない。単なる“動く壁紙”ではなく、政治的であったり理論的であったりというものが出てきてもよいのではないだろうか?またこのフェスティバルではっきりしたのは、VJとDJのコラボレーションは、オーディオビジュアル・パフォーマンスとして非常に魅力あるものであったということだ。

DJや音楽ライブの補足的なものとしてだけではなく、VJ自体が1つの表現手段としてその地位を築き始めているのは、アーティストの経験を増やし、新しいアイデアを発表できる機会となる「コンタクト・ヨーロッパ」のようなイベントの存在が大きい。VJのこれからが非常に楽しみだ。

Contact Europe 2004
会期:2004年7月1日〜3日
会場:Cafe Moskau
http://www.projekttor.org

Text and Photos: Peta Jenkin
Translation: Naoko Fukushi

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