草間彌生展「クサマトリックス」

HAPPENINGText: Naoko Fukushi

芝生の広場へ一行は移動し、草間彌生を中心に大勢のモデルが丸く円を作る。そこで興味深い演出があり、プレスのカメラマンがその円の中に入り、堂々と手を振る彼女とモデルをパシャパシャ写真を撮るというものだ。作品の水玉模様はプリントだけではなく、中に綿をつめた立体的な丸みを持たせたものが多かった。モデルの振舞いも終始、人形のように体を左右に揺らし、周りの自然に囲まれて、森の妖精のようにも見えた。

このファッションショーは、草間彌生が監修、東京の文化服装学院に赴き確認を行いながら、学生達がドレスのデザイン、制作、当日のモデルも勤めるといった形で進められた。そして今回は系列校である札幌の文化服装学院が協力にあたったということもあってか、観客は若い人達が目立ち、草間彌生に握手を求める姿も多く見受けられた。

彼女はその作品だけではなく、生き様からも若者たちから強い支持を受けているようだ。ファッションショーの最後には札幌の印象などを語り、自ら作詞作曲した「『マンハッタン自殺未遂常習犯』の歌」と「君は死して今(亡き父母に捧ぐ)」をその場で披露してくれた。

続きを読む ...

【ボランティア募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
MoMA STORE