アーバン・ドリーム・カプセル

HAPPENINGText: Fann ZJ

何が起こってるのか気になった通りがかりの人達は手を振り、逆にからかわれることもしばしば。ガラスごしにオーディエンスとコミュニケーションするためにホワイトボードが備えられており、見ている人が持っている食べ物、ファッション、ヘアスタイルなどが、“沈黙のコミュニケーション” の話題となっていた。

コンピューターとファックスがあるので、外にいる人はEメールやファックスでコミュニケーションすることもできた。励ましの言葉は、外にいる人達が読めるように、ガラスに貼られた。4人は「BOTAK」と呼ばれて親しまれていた。「BOTAK」とは、「はげている」という意味で、彼らのきれいに剃った頭をそのまま呼んだものだ。

外の世界への唯一の物理的な通用口として小さなドアがあり、そこから毎日の食料品が送り届けられ、ハイナン・チキンライスなどシンガポールの有名なローカル料理をオープンキッチンで調理する様子もオーディエンスは見る事ができる。食事の時間は、アーバン・カプセルで最も人気のある時間で、ワインやオレンジジュースが振舞われた。4人は一列に並び、彼らの動きを全て見ている外の人と向かい合い、沢山の人と食事をしていた。

一時も一人になることができない、アーバン・ドリーム・カプセルはシンガポール人の心を掴んだ。家を “オープン” にしてくれる友人、そう親友になったのだ。

URBAN DREAM CAPSULE
会期:2004年5月30日〜6月13日
会場:Raffles City
住所:2 Stamford Road, Singapore 178882
https://www.singaporeartsfest.com

Text: Fann ZJ
Translation: Naoko Fukushi
Photos: Foong Wei Jiet

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