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ヤウナ・ミュジカ 2004

HAPPENINGText: Emanuelis Ryklys

4月15日から20日、リトアニアの首都ビリニュスの現代アートセンターとイントロ・クラブに、ローカルやグローバルで活躍する “旬” のマルチメディア・アーティストが集まった。

リトアニアの作曲家協会によって開催されるニューミュージックのフェスティバル、ヤウナ・ミュジカは、今回で11回目を数える。このフェスティバルは当初、リトアニアで行なわれている、もう少し年配のミュージシャン達をフィーチャーする別のフェスティバルの関連イベントとして始まったものだったが、ここ数年は若い世代のミュージシャンにとっては唯一、自分の作品を発表できる場となっている。

6つのコンサートと3つのクラブイベントは、エレクトロニックミュージックに始まり、オーディオビジュアルパフォーマンス、サウンドインスタレーションと続き、出演アーティストはリトアニアからだけではなく、ファーマーズ・マニュアル、エドウィン・ファン・デル・ハイデ、メルツバウ、 フィル・ニブロックなど、世界に名を馳せるアーティストらが登場。そこで演奏された楽曲は、ほとんどがこのフェスティバルのために作曲されたものだった。

今年は、特に若手のアーティストに焦点を当て、どこにあるのかも知らない人がほとんどであろうこのリトアニアという国は、このイベントでエレクトロニックな分野での強さを見せた。今回参加したリトアニアのマルチメディアクリエーターのほとんどは、グローバルなプロジェクトを手掛けていた。

リトアニアでは、現代アートや新しい音楽の関心は高まってきており、コンサート会場はいつも観客で溢れかえる。この環境は、このフェスティバルの主催者がもう一度開催しようと決める刺激剤となった。現在、リトアニアで行なわれる国際的なニューミュージックのフェスティバルは、数えるほどしかない。

様々な分野をカバーするアーティスト集団、ファーマーズ・マニュアルはメディア・アートへのアナーキスティックなアプローチを見せてくれた。クールなアニメーション、奇妙でスピード感と厚みのある音は、コントロールの利かなくなったテクノロジーとも言える空間を作り出していた。

オランダ出身のクリエイター、エドウィン・ファン・デル・ハイデは、映像をベースにレーザー光線で包まれた空間でパフォーマンスをした。

マルチメディアのセクションは、アメリカのクリエイター、フィル・ニブロックが独占。彼は音楽、映画、写真、ビデオ、コンピューターを操り、彼独自の世界を作り出した。「Movement of People Working」からの4曲では、ギタリストのセス・ジョエル(アメリカ)とバイオリン奏者ミンダウガス・バッカス(リトアニア)も参加した。

フェスティバルもクライマックスに近づき、日本のエレクトロニック・アーティスト、メルツバウは、フェスティバルのクロージング・コンサートに相応しい音楽を奏でた。エレクトロニック・ノイズの島で、80年代から活躍する究極のサウンド・クリエイターと言える。このステージのビジュアルを担当したのは、オーディオビジュアルパフォーマンス、VJ、ウェブ、デジタル作品を中心にリトアニアで活動するアーティスト集団、そう私達、RUT RUT

The 11th Jauna Muzika festival
会期:2004年4月15日〜20日
会場:Contemporary Art Centre, Intro club
住所:2 Vokieciu, Vilnius, Lithuania
https://jauna.org

Text: Emanuelis Ryklys
Translation: Naoko Fukushi
Photos: Emanuelis Ryklys

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