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メイド・バイ・ハンズ


「メイド・バイ・ハンズ」のウィンドウ風景
ふと足をとめてしまうような、個性的な展示が特徴。取材時はキティちゃんを使用していた

ロンドンのイーストのショーディッチ地区は、つい数年前から個性的な若手デザイナーによる作品を置くショップが台頭している。そのなかでも約2年前に開店し、途中店名が変わるなどして発展してきた「メイド・バイ・ハンズ」を紹介する。

既製品には見られない手作りの良さ、それもポップやキッチュな味付けをした独創的なデザインが6デザイナーの手によって展開される。作品づくりのプロセスを大切にする彼らの2004/05年秋冬コレクションを取材した。


店を経営しているクローディア。彼女の制作途中の作品が写真中上段に並ぶ
卸問屋や布地専門店などを探して見つけた布素材、ハンドプリントのイラストを使用

人なつこい笑顔を浮かべて迎えてくれたのがクローディア。レディスウェアを卒業した彼女は一時期ファッションに背を向け、ミュージシャンたちとつるんでいた時期がある。当初この店はその時のバンド名にちなんで「アニマルアイリアン」と名乗っていた。しかし徐々に取扱デザイナーが集まるに連れ、店のコンセプトに合わないのではと思うようになった。新たな店名を決める時、 「G■P」や「N■X■」のように文字数が少なく短かめのネーミングを好む大手のブランドショップに対するアンチ精神も手伝って、長めの「メイド・バイ・ハンズ」に決定した。
店内には彼女自身の未完成作品が展示されている。


取り扱いデザイナーの1人、リモート・コントロールによるスウェット


独特のイラストを使ったTシャツが人気のレイチェル・カトル(写真右側の鳥柄のバッグはベナというデザイナーの作品)£25-£30 壁紙も発注可

ここのデザイナーが全員ファッション・デザインを専攻したわけではない。レイチェル・カトルとファインガーピッグ(ジュリア・ムーア)はファイン・アート出身。カトルは人物の顔のイラスト入りのTシャツが人気。値段は£25から£30、手作りにしてはかなりお値ごろである。イラストの入った壁紙もオーダーの上、制作する。
ニットの動物や小物を得意とするフィンガーピッグはクローディアの説得の甲斐あって、作品をここの店にしか置いていない。


動物をモチーフとして作品づくりをするベナの作品2点
左のジャケット(背中にキリン)£60 右のピンク地に鳥のスウェット £40-45

動物柄をブロックプリントでデザインに取り入れるベナは新コレクションでキリンを背中にプリントしたジャケットや、つばめのような鳥をモチーフにしたスウェットシャツを出している。


プロヴォスト&ファザー。毛布とセコハンのシーツを使った、リバーシブルなジャケット。£150
デザイナーのロール・プロヴォストはジャケットデザインを専門とする。リッツ・ホテルで使用されたベッドシーツからフェリー船で使用された毛布まで、ありとあらゆる素材を使用。どの作品も世の中に1つしか無いものばかり

クローディアは自分がキャンバーウェル・カレッジ・オブ・アートで教鞭に立っていた時の仲間(レイチェル・カトル)や同窓生の作品を扱っていると答えた。マーケットやトレードショーで気に入った作品を出しているデザイナーに直に声を掛けて発掘したこともあったが、今ではショップのウィンドーを思いのままに飾っているうち、通りかかった人たちが飛び入りで作品を持参することが多いのでマーケットからは足が遠のいている。


「メイド・バイ・ハンズ」店内風景
ドールスハウスを使用しているのはクローディアのアイディア。店内の隅に3つ程ドールスハウスがまとめて展示してあった。左の黒いオブジェは全体を1つの作品として売っていた

店内ではデザイナー同士の火花が密かに飛び交う。懐かしく思える花柄やチェック柄の素材を使うオールド・スカートは彼らのデザインの要である布地をどこから仕入れてくるのか、決して他言しない。「彼らと知り合って1年半になるというのに、、、、そのうち教えてくれる日がくるでしょう」と微笑むクローディア。同じパターンでも同じ布が使われることが殆どないので、多くは一品ものになる。

大量生産に真っ向から対立し、プロセスを大切に作品づくりをするアーティストを扱うクローディア。それぞれのデザイナーの個人的な発展と共に、まだまだ発展途上の「メイド・バイ・ハンズ」の店自体が今後どのように変わって行くのか、楽しみだ。

Made by Hands
住所:117 Redchurch Street, London E2 7DL
Tel/Fax:+44 (0) 20 7613 0934

Text and Photos: Sari Uchida

LONDONの様々な情報は、「SHIFT CITY GUIDE LONDON」でご覧になれます。

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