東京デザイナーズ・ブロック 2003

HAPPENINGText: Yasuharu Motomiya

10月9日から13日にかけての5日間、東京デザイナーズブロック(以下TDB)が、青山、原宿、渋谷、六本木、代官山、新宿、二子多摩川など都内各所で行われた。その規模もさることながら、東京には、様々なブロックがあるというコンセプトのもと広範囲にわたる開催場所や展示の仕方、様々なプロジェクトとの連動などアートフェスティバルとして、大変ユニークなものとなっている。ここでその一端を紹介できればと思う。

はじまりは、青山にあるイデー・ショップ。ここはインフォーメーションセンターも兼ねたTDBの中心的存在だ。こちらに展示してあったのは、ミラノ在住のデザイナー、ジャージー・シーモアの作品。

「Welcome to scam city」と名付けられた一連の作品は特殊な樹脂で固められた照明や、サウンドウォール、見た目とは裏腹に腰を下ろすと特殊樹脂が体の形に変形し、ぴったりフィットする溶岩が固まったようなフォルムを持った一見ゴツゴツしていて座り心地の悪そうなソファーなど、イメージ的には、おどろおどろしいもの。しかし、そこをポップにロックにまとめていて、彼の持つユーモラスさを伺わせた。

同ショップには、片山正通によるワンダーウォールシリーズも展示されていて、キッチンシェルフとCDラックが。

鏡面仕上げのキッチンシェルフの引き出しの中には、蛇をモチーフにした倉科昌高のペイントが、硬質なアルミのイメージに柔らかい蛇や恵比寿などと書かれた漢字のイメージのミックスは不思議な魅力を放っていた。

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