ティナ・ラム

PEOPLEText: Christina Merl

今年の夏、私はアムステルダムで休暇を過ごした。そこで私を待っていたのが、オーストリア人モザイク・アーティスト、ティナ・ラムとの出会いだ。私は毎月、ウィーンのアート情報をみなさんにお伝えしているが、ティナは元々ウィーンの出身ということで、事実上アムステルダムからのレポートだが、今回は大目に見ていただきたい。アムステルダムでは、モザイクアートの技術を、もっともっと向上させたいと話してくれたティナ。しかし、将来的には故郷に戻りたいという計画を持っている、とのことだ。

モザイク・デザインを始めたのはいつからですか?

モザイクには、かなり昔から興味はありました。特に、バルセロナにあるガウディの作品は素晴らしいですよね。オーストリア人アーティスト、ハンダルトワッサーの作品も私のお気に入りです。モザイクは「モザイク・ア・ラ・ガウディ」という教室に参加してから始めました。その教室に行ってから、もうすっかりモザイクの虜になってしまったというか、今ではモザイクは私の生活、そして人生の一部です。現在はモザイクを教えるコースの教師もしています。

「モザイク・ア・ラ・ガウディ」について教えて下さい。

「モザイク・ア・ラ・ガウディ」では、壁や床用のタイルを使って作品を制作していました。このタイルは、ガラスに色を付ける際に使われるタイルで、とてもお手ごろな価格で手に入れることができます。色やパターンも無限にあるので、すぐにクリエイティブになれますよ。モザイクアート専用の道具があるのですが、それを使用して、三角や長方形、四角、雫形、丸などに形を整えます。そうしてできあがったタイルを組み合わせてモザイク作品を完成させる、ということを学びました。

モザイクに魅了された理由は何ですか?

タイルの種類が本当に膨大なこと。そして、頭の中に描いたイメージなら、どんなものでもタイルを通じて表現できることです。その他にも、例えば木の上やコンクリート、床、壁、戸棚、テーブル、花瓶、噴水など、何にでもモザイクの模様を施すことができるのも、魅力ですね。もちろん、タイル以外にも、ガラス玉や貝殻などを組み合わせることで、もっとおもしろい作品に仕上げることも可能です。モザイクをやっている間は、全てを忘れることができるので、そういった時間は私にとっては特別なひととき。アートとクラフトを組み合わせるのは、本当に楽しいです。アート作品でありながらも、日常的に使えるというのも、私がモザイクにはまっている点です。

Text: Christina Merl
Translation: Sachiko Kurashina
Photos: Christina Merl

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