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ビーナス・プロジェクト展

HAPPENINGText: Gisella Lifchitz

国際色豊かで様々な顔を持つ街、ブエノスアイレス。そんなこの街で5月12日に開催されたのが、ビーナス・プロジェクトという展覧会だ。会場は、ブエノスアイレス・ラテンアメリカ美術館。

南半球に位置するブエノスアイレスの今の季節は秋。開場を待ちわびる人たちに向けて、美術館のドアが開かれた日は、小春日和のようなぽかぽか陽気。ここからが忙しい午後のはじまりだ。と言うのも「フレンドシップ・テクノロジー」と「ザ・ビエンナーレ・オブ・タンディル」というビデオ作品2本と、現代美術に関する討論会がその日の午後に催されたからだ。

その討論会の内容はどうだったかというと、おもしろくもなければ深くもないという残念なもの。会場にいた誰もが、早く終わらないかなと思っていたに違いない。そんな良いか悪かなんて決めれる事柄じゃないのでは?というある勇気のある発言があるまで、ただひたすら政治的芸術と気軽な芸術について論議を交わせている始末なのだ。もちろんもうひとつの討論会も、オ−ディエンス同士が「あ、どうも」とあいさつを交わしている間に、こちらは決着がつかないまま終結を迎えるというありさまだった。

さて、そんな中でも一番面白かったのが、プロジェクト開始から終わりまでを克明に紹介した、ビーナス・プロジェクトの上映会だ。今年で発足1周年を迎えたビーナス・プロジェクト。意見、グッズ、サービスをオンライン上で交換することを目的に、社会的な実験として、アーティスト、化学者、知識人や一般人などが集結してスタートした。オートマティックで一時的なゾーンでのみ、ビーナスの社会は存在する。

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