IDN フレッシュ・カンファレンス 2002

HAPPENINGText: Fann ZJ

シンガポールで行われた第3回フレッシュ・カンファレンスにおいてIdNは10周年記念を盛大に祝った。世界中からデザイナーを招き2日間に及んだ会議は、30を超える国々から3千人近くの来場者数を数えた。地球の裏側のデザイナーたちの作品を鑑賞し、それぞれの興味や哲学、影響について意見交換をして交流を深めた。同じ情熱を持った人間が一堂に会したカンファレンスだ。

人間は孤立した存在ではない。そしてツインタワーの崩壊から世界は変わりはじめた。これは2日間の会議でくり返し触れられたことだ。生命のはかなさを取り上げ、デザインの存在意義と人々の生活に与える影響を探りだす。まずはニューヨーク出身のステファン・サグマイスターが講演し、ある公式を提言した。「良い目的+悪いデザイン=良いデザインか?」というものだ。聴衆は良いデザインと悪いデザインの結果として生じるものをつかみ取ろうと考えを巡らせていた。

肩の凝らないところでは、デビルロボッツのキタイシンイチロウ、ヨシムラヨシゾーが英語で台本を読みながら作品を発表。トーフ親子のキャラクターもクリエーターと共にステージに登場した。ユーモアたっぷりでダイナミックなキャラクターを目の当たりにして、観客はフィルムのキャラクターの動きをじっと見つめていた。

ある者は世界観を披露し、ある者は作品を展示しているが、共通の要素が会議全体に広がっている。 現代技術によってもたらされたインタラクティブという概念や可能性だ。

インタラクティブという概念は常に定義が刷新されている。トマト・インタラクティブのジョエル・ボーマンや中村勇吾クワクボリョウタなどのデザイナーがインタラクティブを扱った作品を展示したが、マウスで目の前のナビゲーションシステムを動かすものとは違っていた。特筆するとクワクボリョウタは様々なインタラクティブ作品を発表。それはビットマンやヘブンシードというおもちゃで、音や動きによって異なった反応を示す。美術館のインスタレーションなど様々なものに、この基礎的な原理を応用することができると示してくれた。インターネットや電子メールなど、現代テクノロジーは常に注目の的だ。多くのデザイナーに反響がある現代テクノロジーはメディアを変え、新しいコミュニケーション方法(以前は不可能であったこと)を確立した。

続きを読む ...

【ボランティア募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
ボール・ピヤラック
MoMA STORE