フラクタルエッジ

PEOPLEText: Alistair Beattie

最近私は、ウェブサイトのコンテキストにおけるインターフェイスデザインについて意見を求められたことがあった。その時私の頭の中を横切ったのは、ウェブインターフェイスデザインでの一番の大きな違いは、純粋にスタイリスティックであることである、ということだった。その奥底にある、同じタイプの古いデスクトップのパラダイムは、何度となく様々な色、アニメーション、そして音響効果と共に利用されている。コマンドラインのインターフェイスの後に起こったGUI’s(Graphical User Interfaces)革命とは何だったのか、あなたにはきっと想像がつくだろう。そして次に来るのは何であろうか?次には誰が革命者として出てくるのだろうか?そして私達がコンピューターや持ち運びのできるコミュニケーションデバイスを通してインタラクトすることに、どう彼等の作品は影響を及ぼすのだろうか?

GUI’sは、かなり長い間利用されており、現在はコンピューターに情報をアクセスするのに使われている。ウィンドウズやマックOSは、あなたが興味のあるファイルやフォルダーにアクセスするためのビジュアルインターフェイスの使用の古典的な例である、とも言える。これらのインターフェイスは、ゼロックスのパロアルト研究所による草分け的研究から開発された。最近では、多くの人がビジュアル化、そしてアクセスを試みる情報量の急速な増加によって、様々な企業がウィンドウズシステムの改良に力を入れている。そしてある人々は「ZOOMABLE USER INTERFACE(ズーム可能のユーザーインターフェイス)」や、これらの新しいタイプのインフォメーションの構造を言い表わす為にZUI’sという言葉を作り出したりするのだ。あなたがそれらの一つをほしいなと思う理由は、もし適したものを手に入れることができた場合、それがあなたが探し求めている情報により速くアクセスすることができるのが可能で、それによってあなた自身がより効率的に動けるようになり、以前よりも適確な決断をできるように促してくれるからだ。

このコンセプトをさらに掘り下げる為に、私はフラクタルエッジのゲルヴェイズ・クリフトン・ブライとのインタビューを決行した。フラクタルエッジは、ロンドン界隈では最も興味深い活動を行っている企業の一つである。

フラクタルエッジの中心となるアイディアがゲルヴェイズの頭に浮かんだのは5年前。かなり難しいビジュアル的な問題について四苦八苦していた時の事だ。その問題を彼は、システム全体の理解力を受け入れる方法において表されていた、かなりの数の要素を含むシステムの中にいるようなもの、と表現した。しかし同時にそれは、あらゆる個々のエレメントのすばやい調査をも受け入れていることにもなるのだ。例えば、スクリーンやマウス等の2Dスペースを利用しながら、全体がディスプレイされナビゲートされる必要があった。彼が最初に辿り着いた答は、昔からあるような2Dシステムは、この種の問題を納得の行くまで解決に結びつかせるには不十分である、ということである。VRテクノロジーを利用して3Dシステムをフルに活用する為に、率直な解決策は早急な飛躍であった。しかし、現段階のレベルにおける一般的なコンピューターパワーとでは、スクリーンやマウスはこの解決にとって今の所、実行不可能なのである。もしかしたら将来的には実効可能になるのかもしれないが、しかし現時点では、ごく限られたディスプレイスペースしかなく、ユーザーインプットモードであるPDAや電話でどのように大量のデータを扱うか等といった重要な問題が山積みなのである。

『2.5Dの様な断片的なルートに着目すること。それは、2Dのスクリーンに更に次元的なスペースを圧迫する為の自己類似性において隷属的なものである。これは、小さな2Dスペースで何かをディスプレイしたりナビゲートしたりする最も適した方法についての問題なのだ。』これが彼等の主となる考えだった。

では、実際の所それはどのように作用するのだろうか?断片的とはつまり、単純なパターンということである。次から次へと情報を流し込み、あなたがそれらを探究するのだ。これが自己類似性の徴候である。例えば「木」。もし枝を一本切ったとしても、その枝自体が木一本分の一般的な構造を兼ね備えているのだ。木の葉でも同じことが言えよう。一枚の葉っぱからも、同じような構造を見ることができるのだ。このような断片的な構造の傾向により、莫大な規模の構造や情報を、自らリピートするディスプレイストラクチャ−を通して効果的にまかなうことができるのである。

ここでちょっとこちらのリンク先に行っていただきたい。

断片的な次元についてあまり良く知らない人にとっては、これは分りやすい手引きだろう。もし情報が断片的なものの中に隠れていて、ズームしながら近くに近付くことだけでその正体を見抜く、ということが想像できれば、そこからフラクタル:エッジが彼等のインスピレーションを得た、という基本的なアイディアを理解することができると思う。

フラクタルエッジ・テクノロジーでは、ある特定の断片的なアルゴリズムのフォームを使用しており、また大量のデータストラクチャ−をマップ化する為に、本来の断片的なものの特性を利用している。適切なアルゴリズムの使用により、フレキシブルで、かつパワフル、そして効果的なシステムを作り上げることができるのだ。

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