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第3回 ウォーム・フェスティバル

HAPPENINGText: Fann ZJ

寄生虫フェスティバル?きっとあなたも、色々な種類の寄生虫を集めたフェスティバルなのだろうか、と不思議に思っただろう。ウォーム・フェスティバルとは、毎年恒例の学術的なアート・フェスティバルの事で、舞台芸術、音楽、映画、視覚芸術からデジタルアートにまで、様々なクリエイティブ分野のアーティストで構成される。

第3回目を迎えた今年、ウォーム・フェスティバルをサポートする団体、プラスチック・キネティック・ウォームの希望は、より多くの人が現代アートへの感心を持ってもらうことである。プラスティック・キネティック・ウォームは、地元の若いアーティストによって発足された、アートシーンでの活動の場を作るためのサポート団体である。アーティストがシンガポールでの芸術的実践の境界を拡大し、探求できるようにすることを目指している。

今回のフェスティバルでは、インドネシア、日本、シンガポール、タイなどの周辺諸国からの出展者が多く、学際的な芸術祭のコンセプトに忠実に、異なる分野が融合する注目の作品を見ることができた。



Daiki Wakachi, Melting Cube Salon

たとえば、キリンコンテンポラリー・アワードで最優秀賞を受賞した若智大暉による「融解座敷」は、彫刻の解体過程に重点を置いているパフォーマンス作品。展示会の来場者は、目の前で立方体が溶けていく過程を目撃する。立方体が徐々に崩壊すると、内部のパチンコ玉が空間全体に広がっていく頃で、一時的で不安定な生命の性質を表現している。


Jakraphun Thanateeranon, Draw by Light”

次に紹介したいのが、タイのジャクラプン・タナティーラノンの「ドロー・バイ・ライト」。そのタイトルが示唆するように、本作品は、光のテーマと人間の精神との関係を扱っているアートインスタレーションとビデオプレゼンテーションだ。ジャクラプンの作品は、様々な写真要素や技法を何年にもわたって実験した結果であり、線香やろうそくの炎によって影響された伝統的な信念と現代の写真技術を背景に焦点を当てている。


Codedpixels//, morris.exe (Saraswati Gramich remix)

アートとデザインへのインターネットの影響力の進歩に伴い、地元の代表として、シンガポールで最初のウェブアートギャラリーである「Codedpixels//」(コードピクセルズ)もこのフェスティバルで紹介された。今回発表された作品では、コンピューターウイルスの世界を探求することで、世界規模のウイルス感染など実際の社会問題への関係を描いている。

13日間の開催期間の間に、10以上のプログラムがフィーチャーされた。入場料は無料。ウォーム・フェスティバルは確実に、人々と現代アートの距離を縮めた。

Worm Festival 3
会期:2001年10月18日〜11月3日
会場:Plastique Kinetic Worms
住所:199A/B South BridgeRoad, Singapore 058748
https://www.pkworms.org.sg

Text: Fann ZJ
Translation: Sachiko Kurashina
Photos: Courtesy of Plastique Kinetic Worms

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