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東京デザイナーズ・ブロック 2001

HAPPENINGText: Naoko Ikeno

東京は、10月10日から14日までの4日間、デザインが生み出したお祭りで沸き返った。昨年から始まった東京デザイナーズ・ブロック(TDB)。2回目となる今年は「デザインが都市をつくる」というテーマの下、青山や原宿をはじめとする都内の主要エリアで開催された。国内外からおよそ200名のアーティスト・クリエイターが参加して行われた、この「デザイナーズブロック」は、ハウス・アズ・ファーニチャーやTシャツプロジェクトをはじめとするプロジェクトや、多くの展覧会の開催を含んだ、デザイン活動の集合体ともいえるイベントとなった。そして、天候にも恵まれた期間中、黄色い「TDBマップ」を手にした人々が、街中に溢れるデザインを楽しんでいる様子が多く見受けられた。ここでは、青山と原宿の会場を中心にいくつかレポートしたい。

アズミは、ロンドンを拠点に活動する安積伸・朋子夫妻のユニット。これまでに100%ブループリント・デザイン賞、グッドデザイン賞(日本)などの受賞歴を持っている。今回彼らの家具の展示会場となったのは、青山コスモスビル地下にあるUNカフェガーデン。オレンジ色の細いスチールを組んで作られたベンチや椅子、テーブルが会場に沢山置かれた植物の緑に映えてきれいだった。そして、ブルーのクロステーブルは中にバッグなどちょっとした手荷物を入れるスペースがあるという、機能的かつかわいらしいデザイン。まん中にちょこんと乗ったスノーマン・ソルトアンドペッパー・シェーカーもとてもキュート。ここが、もしカフェだったら、何時間でもいてリラックスしたい。

青山通りに面するスパイラルでは、イデー・デザイン・コンペティションが開催された。「互換性」をテーマに行われた今回のコンペティションの大賞は、来場者とウエブサイトでの投票結果により決定する。床に寝かせてクッションの様に使ったり、壁に持たせかけてソファにしたりと様々な楽しみ方ができる天野和俊の作品「ドロップ」や、小テーブルでもあり、スツール椅子でもあるダン・レイド作「3イン1」など、多機能で楽しい作品が並んだ。作品を販売する際に適当と思われる価格や、作品をより魅力的にするにはどうしたら良いかなどを問い、作品の今後の可能性を探る内容の投票用紙を片手に、真剣にあるいは楽しそうに作品を見て回る来場者が印象的だった。

スパイラルから5分程度歩いたところに、ロン・アラッドによる椅子が展示されたエーポック・アオヤマがある。イスラエルで生まれ、ロンドン、ロイヤルアカデミーオブアートのデザイン・プロダクト学科で教える彼が、今回展示した作品は「ザ・ビッグイージー (1988)カーボンファイバー・バージョン 2001」「ザ・リトル・ヘビー(1989)カーボンファイバーバージョン 2001」という2つの椅子。これらは、以前ステンレススチールで製作されたデザインのカーボンファイバーバージョン。黒く光るオブジェのような椅子は、カラフルな洋服を扱う店の入り口に堂々と置かれ、来店客や外を通り過ぎる人々の目をひいていた。


イデーショップ1Fでは、マイケル・ヤングマーク・ニューソン、ジャスパー・モリソンの3人による白い食器を展示。マーク・ニューソンのプラスチックのカップと紙皿の形を持つガラス製の食器や、マイケル・ヤングのまるで受け皿を持つかのような形状のボウルやカップ、シンプルながらも途中から広がりを持つ形が存在感を演出するジャスパーモリソンの作品などが並び、国内外から訪れた人々の目を楽しませていた。

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