シンガポール・アートフェスティバル

HAPPENING


今年のシンガポール・アート・フェスティバルは、ダンス、音楽、演劇、その他たくさんの探究をもって、人々の心を満たした。このフェスティバルは、感覚を満たそうというスローガンを達成しただけではない。「女性は、男性のモデルが身体の一部(もちろんウエストより上!)を失っているのを映し出している広告を見て悲鳴をあげるのを知っている。」つまり、このイベントはとんでもない数の人のハートに触れるということを成し遂げたのだ。毎年恒例のこのイベントは、実に、アートを劇場に持ち込んだだけではなく、すべての人の心をも持ち込んだ。

フォート・カニングの情景豊かなロケーションにあるフェスティバル・ビレッジと共に、マレーの村、カンポンのような田舎っぽい雰囲気が、異なる7つの国からの演劇によって再現された。そこの空気は3夜に渡ってUシアター(台湾)からのドラムのリズムで満たされた。今回Uシアターは、フィリピンのヘロバン・カルチュラル・ダンス・トゥループ、イランのカンカーズからの音楽とコラボレーションした。一方、マレーシアの人形影絵、ウェイヤン・クリトによる作品は青葉をスクリーンにして行われた。シンガポール、インドネシア、フィリピン、ベトナムからの芸術が集まって、フェスティバル・ビレッジには 総勢約6800人が訪れ、月明かりを浴びつつ伝統芸能による素朴な感覚を肌から吸収した。

アメリカのストレブ、カナダのロイヤルウィニペグバレー、日本のエイチ・アートカオスによる国際的なダンスもフィーチャーされた。フィリップ・グラス・アンサンブル(アメリカ)とチューリッヒ・シンフォニー・オーケストラ(スイス)、シルク・ワールド・フュージョン・バンド(インド)等、多くのグループが登場した。シャンハイ・ドラマティック・アート・センター(中国)とワイルド・ライス(シンガポール/韓国)がステージを飾った。メンバー全員が女性のエイチ・アートカオス(日本)と男性ばかりで構成されるベルギーのアルティマの両グループによるダンスの比較もあり、今年のフェスティバルは高度な地域芸術とコラボレーションによる新しい時間を導いた。ひょっとすると、これがシンガポールにおけるアートシーンが発展しているしるしかも?主流のものとはちょっと違う芸能を受け入れることのできる成熟した観客を見るということが、もっと気持ち良いともいえる。

オーディエンスの幅を少し広げ、いたって普通の人にまでアートを広げるために、さまざまな無料のステージも島のあちこちで催された。屋根のといの1つが、店の建ち並ぶオーチャード・ロードの中心部で、そのショッピングモールを小さくしてしまったかのように見えた。降下してゆく花が着地した後、花びらが舞っているのを見て、クリエイターが観客と一体になったとき、子供達はとりわけスリルを感じていた。彼等は、バッグを観察したり、カップルや瓶に噴水になるほどいっぱいに詰め替えられた水を見て笑ったりしていた。つまり、劇場にふだん出かけたりしない人達にアートをもたらしたといえる。

通常のワークショップとフォーラムはさまざまなパフォーマンスを紹介するために企画されるが、今年のアートフェスティバルは、もっと踏み込んだところで行われた。インターネット経由でフェスティバル参加者とのライブチャットや作曲家のフィリップ・グラスをフィーチャーしたオーストラリアのカルテット、フォープレイと地元の弦楽器によるタン・カルテットの共演も行われた。楽しい会話と共に地元で進行した1対1のインタラクションによって、このアートフェスティバルは人々の気持ち/心に近付いた。だから芸術によってあらわされたクリエーターの言葉から、私達の視野が広がることを期待してしまう。私達は、彼らの素晴しいパフォーマンスを見聞きして、彼らを応援し、自分達の心に振動を感じた。今年のシンガポールアートフェスティバルは、実際に私達の感覚を満たし、心の中に新しい場所を見い出した。

SINGAPORE ARTS FESTIVAL 2001
会期:2001年5月31日〜6月24日
http://artsfest.msn.com.sg

Text: Fann ZJ From npsea Enterprise
Translation: Naoko Ikeno

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